お家の顔とも言われ、お住まいの第一印象を大きく左右する玄関アプローチは、エクステリアデザインの大切なポイントと言われています。
通りがかりの街の人の目にも触れ、ご自宅に を訪問されたお客様がまず目にする場所。
お客様をお家の玄関まで導く導線、すなわちアプローチとなります。家に入るには全ての人が必ず通る場所なので、歩きやすさ・滑りにくさなどの安全性も考えなければなりませんね。
ただ、こだわりたい家の顔。女性が毎朝化粧するように、なるべく綺麗に保つにはどうしたら良いのでしょうか。
また、身に付ける装飾品のように、素敵に飾るにはどんなポイントがあるのでしょうか。見ていきましょう!
目次
いざ、玄関アプローチに取り掛かろう!といっても、何から考えればいいのか、どこから手をつけていいのか、着眼点は?と、さまざまな疑問が浮かぶことと思います。
費用や時間をかけて取り組むことなので、後悔のなきよう、綿密に計画を練りましょう。
基本のアプローチの幅は1.2mと言われています。これは荷物を持った人がすれ違える幅です。
敷地状況によっては1.2m取れない場合がありますが、狭くても0.9m以上が理想的でしょう。
敷地面積に余裕がある場合は1.5~1.8m程度。あまり広くても間延びした印象になってしまうので、全体のバランスを見ながら考えます。
余ってしまった場合はプランターを置くなど、工夫次第で幅も自由自在です。
アプローチを玄関に対して正対させずに変化させる事で、空間の広がりと味わいを感じることができます。
また道路からまっすぐ正面に見えるつくりだと、玄関ドアを開けた時に中が丸見えになり、プライバシーと防犯の観点からあまりお勧めしません。
・まっすぐのアプローチ
・多少ずらした曲線のアプローチ
・クランク(軸をずらす)させたアプローチ
多少の曲げやずらしが、奥行きを生み、おしゃれな雰囲気を漂わすことができますね。
おうちの面積事情や形などによっては手狭な場合もあるでしょう。ただし高低差で変化をつける工夫をするとグッと印象が上がります。
アプローチ内で高いところ、中くらいのところ、低いところをつくって立体的に演出するとおしゃれに仕上がりますよ。
高いところは樹木を植えたり、設置してみたり、中くらいのところには門柱を据えたり、フェンスで目隠しをつけても良いでしょう。
低位部には花壇や低木などを使うといいでしょう。立体感が出ることで空間に厚みが出てきます。
限られた空間の場合でも、工夫次第で如何様にも彩ることができます。
玄関アプローチをつくるときの費用相場は10〜30万円程度といわれています。
もちろん、使用する素材やその量、デザイン、敷地面積などによっても幅が大きく、しっかり変わってくるので注意しましょう。
また費用は1平方メートルあたりの金額で表示されることが多くなっています。
新築で0から玄関アプローチに取り組む場合はそれらを目安とできますが、既存の玄関アプローチをリフォームする場合には、撤去費用、また基礎のうち直しなどの費用もかかるため、お忘れなきように。
玄関アプローチを作る際は、デザインだけでなく、防犯性や機能性なども合わせて考慮しましょう。それでは具体的なポイントをご紹介します。
お住まいの門を入ってから玄関へ着くまでの距離や動きを具体的にイメージしてみましょう。
距離を短くすれば移動は楽になりますが、玄関ドアと門扉が距離の短縮により直線でつながっていると、ドアを開けた時に家の中が丸見えになってしまいます。
外からの視線を避けるためには、玄関ドアが見えすぎない位置に目隠しとして門扉やフェンス、
塀を配置することがおすすめでしょう。
同じくプライバシーの問題から、玄関アプローチはトイレや浴室の前を通らないように設計するのが望ましいと言えます。
雨の日に限って傘がいる!長靴にしようかしら!と何かと焦って玄関を出ることが多くなってしまいます。アプローチに水が溜まっていると、滑りやすくなる原因の一つです。
また、水はけが悪いと苔が生えやすくなるため、見た目にもあまり良いものとは言えません。
その時に重要になってくるのがアプローチの素材です。透水性を高める舗装をしたり、滑りにくいおしゃれな材質を選んだり、微妙な勾配をつけたりして対処しましょう。
通路部分に使用する素材は、雨などで塗れた時のことも想定して、滑りにくい素材を選ぶようにし
ましょう。
表面に凹凸のある素材の方が、靴底が滑りにくく安心です。女性は、ヒールやミュールタイプの場
合、ピン部分が挟まってしまわないよう注意しましょう。
また、高齢者やお子様にとっても段差やちょっとした透き間などが転倒の危険性を生むこともありますので、夜間の見えにくい時でもつまずかずに歩けるかどうかシュミレーションしてみることが大切です。
高齢のご家族がいる、また老後に暮らしやすいようにしたいなどという理由から、近年ではアプローチにスロープを設置するなど、バリアフリーに配慮する家庭が増えています。新築時は気にならなくても、何十年と住むうちに歳は重ねるもの。階段は高齢者のつまずき事故が多い箇所ですので、スロープの設置は事故防止にかなりの効果を発揮します。
またその際には、手すりもセットになっているとさらに安心です。
いつ何時どなたが怪我をして、いっときの松葉杖や車椅子を余儀なくされるかはわからないものです。
老後にリフォームでも大丈夫ですが、始めからバリアフリーを意識して、どんな時でも誰にとっても使いやすい作りにしておくことは非常に重要です。
門扉から玄関ドアまでを最短距離で結ぶのではなく、ジグザグやカーブなどを作って奥行きを持たせてみてはいかがでしょうか。直線だとデザイン性も乏しくなってしまいがちですが、ひとひねりを効かせることで、一段と素敵なお宅に魅せることも可能です。
距離が長く見えることは、防犯対策にもつながるんですよ。
さらに、通路に沿って植栽や花壇を配置すると、メリハリが出て奥行きが増したように見える効果があります。
ご家族のプライバシーを守りたい場合は、近隣住民や通行人の視線を妨げる’目隠し’を設置することをおすすめします。
目隠しがない玄関アプローチの場合は、ポストに新聞をとりに行ったり、ゴミ出しをしたり、ちょっとした花の水やりにも服装を気にしてしまいますよね。
また、玄関側にリビングの大窓がある場合は、通行人からの視線がより気になってしまうこともあ
るでしょう。
周囲からの視線を遮るためにも、通気性の良いタイプ、採光タイプ、フェンスといっても様々な種類がありますので、ご検討ください。
デザイン性から奥行きや、プライバシーの確保が重要である一方、こだわりが強く、入り組んだデザインで作り込みすぎると死角が生まれ、防犯上の問題となってしまいます。しっかり対策を考えておかなくてはなりませんね。
もしも死角ができるデザインにする場合、センサー付きの照明などを設置して防犯対策をしっかりと行いましょう。
夜も安心して帰宅できるため、便利です。お宅前の小道が人通りが少ないからと、目隠しをせず防犯に手を抜くと、空き巣にとって最高の仕事場となってしまうので、気をつけましょう。
玄関から駐車場までのスペースに屋根や庇があると、雨の日でも傘を差さず、濡れずに済むのは便利ですね。ご旅行や大荷物のお出かけの際、荷物の出し入れも楽になります。
ただし、あまりにも屋根や庇が深いと、日差しを大きく遮ってアプローチ周辺が薄暗くなってしまいますので、照明を活用したり、完全に光を遮断しないタイプの屋根を用いることで工夫すると良いでしょう。
ちょっとしたことですが、日本は梅雨の時期があったり、台風が多かったりと雨の多い国ですので
工夫しておくことをおすすめします。
こだわりポイントとして、建物の雰囲気とのテイストを合わせることで、何倍にも素敵な空間に仕上がります。
どんなにデザインの素晴らしいアプローチでも建物に似合っていなければ台無しとなってしまいますので、ご予算の範囲内でお住まいとマッチしたアプローチ造りを意識しましょう。
アプローチは床が占める割合が大きいので、床のデザインや素材にこだわってみましょう。
タイル1色だとシンプルなすっきりとした印象に、2色使いだと変化も出て、組合わせ次第でスタイリッシュにも仕上がります。
また、レンガと石、タイルと敷石など、素材が増えると合わせる難易度は上がりますが、センス次第で自分だけ、ご家族だけの素敵な場所になります。
能面に目を向けることも忘れず、オリジナルのデザインを考えてみてください。
建物も含め全体の雰囲気、デザインはもちろん、カラーを統一することも大切です。
色がガチャガチャするとそれだけでスタイリッシュさがなくなってしまいます。シンプルかな?と思っても、実寸大にしてみると、思いの外存在感が出て、訴えかけてくるものがあるでしょう。
シンプルであればあるほど、アクセントや際立たせたい部分が映えますよ!
素敵なアプローチにするための様々なコツをお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。アプローチの標準幅は1.2mで、曲線を描き、雰囲気を出すことでオシャレ度は増し、目隠しを忘れず防犯面にも抜かりなく!カラーを絞り厳選して、建物とテイストを合わせると、世界にたった一つの素敵なアプローチが完成することでしょう。
毎日通る場所、その道を、日々をウキウキ足取り軽くさせてくれるおしゃれな空間に仕上げてみませんか?