芝生の庭に憧れているけど、忙しくて天然芝は手入れの時間が取れないため、人工芝の設置を検討している方も多いのではないでしょうか。人工芝は手入れが簡単で一年中美しい緑を保てますが、完全にメンテナンスフリーではありません。
美しさを長く維持するためには、ある程度のメンテナンスが必要です。さらに人工芝は、庭やベランダに敷くことで手軽に景観を変えられるのが魅力ですが、その特徴を理解し、費用や経年変化を考慮した上で選ぶことが重要です。
そこで今回は、人工芝のメリット・デメリットから、施工の費用相場・施工する際の注意点、綺麗に保つためのポイントなどを紹介します。自宅に人工芝を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
それでは庭に人工芝を敷くと、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。いくつかご紹介します。
人工芝は、天然芝に比べてメンテナンスが楽なのがもっとも大きなメリットです。もちろんまったく手入れをしなくていいわけではありませんが、かなりの時間と労力を節約できます。
天然芝の場合、芝刈り、水やり、除草、肥料散布などのメンテナンスが必要ですが、人工芝ならこれらの時間とコストを削減できます。そのため、忙しくて手入れに時間を割けない人やランニングコストを抑えたい人には特におすすめです。
人工芝は季節を問わず一年中美しい緑を楽しむことができます。多くの天然芝は冬になると地上部が枯れて休眠し、緑が失われます。
しかし、人工芝なら季節に関わらず常に緑色を保つことができます。また、枯れた芝生と青々とした芝生を組み合わせたリアルな見た目の人工芝を選ぶことで、より自然に近い景観を維持することが可能です。
人工芝の下に防草シートを敷くことで、雑草の生育を抑制できます。完全に生えなくなるわけではありませんが、大幅に雑草を減らすことが可能です。
天然芝の場合のように、夏場に雑草対策で手間がかかることもかなり少なくなります。ただし人工芝を敷いただけでは雑草を防げないので、人工芝の下には必ず防草シートを敷くようにしてください。
人工芝は、場所を選ばずどこでも敷けるのが大きなメリットです。天然芝の場合、日当たりが悪い場所や水はけが悪い場所ではうまく育たないことがあります。
しかし、人工芝であれば、日当たりや水はけの条件を気にせず、どんな場所にも敷けます。さらに、土がない場所にも敷けるため、ベランダやテラスなどあらゆる場所に緑を増やすことができるのも魅力の一つです。
人工芝は土を必要としないため、裸足で遊んでも泥で汚れる心配がありません。そのため、気軽に遊べて、遊んだ後も泥汚れを気にせず部屋に上がることが可能です。子供も素足で安心して遊べるので、清潔さを保ちながら楽しむことができます。
人工芝には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。「想像と違った」と後悔しないためにも、これらのデメリットを事前に知り、十分に理解した上で検討してみてください。
人工芝は天然芝に比べて初期費用が高くなる傾向にあります。低価格なものを選べば費用を抑えることが可能ですが、人工芝の品質は費用によって大きく異なります。そのため景観や耐久性を考慮すると、あまり安価なものはおすすめできません。
さらに、下地づくりや防草シートなどの費用も考慮する必要があります。下地のつくり方によっても費用は大きく変動します。
人工芝は火気厳禁です。耐熱性は品質によって差がありますが、一般的には80℃程度とされています。火や高温になるバーベキューコンロを使用すると、人工芝が溶ける恐れがあるため注意が必要です。
バーベキューを楽しむ際は、コンロを人工芝から離して高い位置に置くか、コンロの下に耐熱シートを敷くと良いでしょう。耐熱シートは市販されており、コンロをシートの上に置いて使用することで、人工芝を熱から保護できます。
人工芝は一年中緑色を保ち、天然芝のように休眠期を迎えることがないため、四季の変化を感じることは難しいです。しかし、自然に近い見た目の人工芝も存在します。
単一の緑色ではなく、枯れ葉を思わせる色合いの葉が混ざっていたり、異なる長さの芝が組み合わさっていたりすることで、リアルな芝生を実現しています。季節感は得られませんが、このようなナチュラルなデザインの人工芝を選ぶことで、見た目にも満足できるでしょう。
人工芝の耐久年数は、品質や紫外線・熱などの環境条件によって異なります。一般的に耐久年数は約10年と言われていますが、屋外に設置する場合は、それよりも短くなる可能性を考慮しておくと良いでしょう。
人工芝が劣化する主な原因
人工芝は、日陰や使用頻度が低い場所では耐久年数が長くなる傾向にありますが、日差しが強い場所や頻繁に使用される場所では、劣化が早まることが予想されます。
人工芝やその下地の水はけが悪いと、カビや苔が生える可能性があります。特に安価な人工芝の場合、排水用の穴が開いていない事があるため、雨水の排水が困難で水たまりができることがあります。
また、下地処理が不十分でも、雨上がりに水たまりができてしまいます。それらがカビや苔の発生源となるため、人工芝を敷く際は、排水性に注意を払うことが大切です。また、人工芝の上に枯葉や土などが残っていると、それらがカビや苔の生える原因になり得るため、こまめに清掃をしましょう。
人工芝を敷く費用は、人工芝自体の価格と施工費用で構成されます。人工芝の品質によって価格は変わりますが、下地処理の方法によっても大きく異なります。
<費用相場の目安>
<芝生の下地処理の例>
土の上に人工芝を敷く場合、土を転圧する作業は非常に重要です。施工直後は表面が平らでも、転圧が不十分だと雨水などで徐々に凹凸が生じます。これは居心地を悪化させる原因となるため、転圧作業は丁寧におこなう必要があります。
しかし、どれだけ丁寧に転圧しても、完全に凹凸をなくすことは難しいです。室内のように完全にフラットな人工芝を望む場合は、下地をコンクリートで整えることをおすすめします。
人工芝を敷いたものの、思っていたのと違うという後悔をたまに耳にします。そうした後悔を避けるための注意点を紹介します。
人工芝を選ぶときは、サンプルを実際に見て決めることが重要です。写真だけでは、色や質感を正確に把握するのは難しいため、理想のイメージと異なることが多く後悔の原因になります。ですので、サンプルを取り寄せて、直接確認することを強くおすすめします。
さらに、肌触りもチェックポイントの一つです。特に裸足で歩くことを想定している場合は、硬すぎて痛い人工芝では快適に過ごせません。柔らかくソフトな肌触りのものを選ぶことで、より快適に人工芝を楽しむことができます。
品質の高い人工芝は確かに高価で、手が出しにくいことがあります。しかし、安価な人工芝を選んでしまうと、「安っぽくて恥ずかしい」「痛くて裸足で歩けない」「すぐに傷んでしまう」といった後悔の声を耳にすることがあります。無理のない範囲で、できるだけ品質の良い人工芝を選ぶことをおすすめします。
土の上に人工芝を敷く際には、防草シートの使用が欠かせません。人工芝には排水性を高めるための穴が開けられています。
ですので、直接土の上に敷くと、これらの穴から雑草が生えてくる可能性があります。防草シートを敷くことで、雑草対策という、人工芝の本来の目的の一つを果たすことができます。
せっかく人工芝を敷いたのであれば、できるだけ長く綺麗な状態を保ちたいですよね。この章では、そのためのポイントをいくつか紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
汚れは人工芝の劣化を早めるので、汚れたらできるだけ早く掃除しましょう。水に濡らした雑巾で拭くか、しばらく使わない場合は水をかけて流してもいいです。汚れがこびりつかないうちに落としましょう。
掃除道具としては、雑巾やほうきの他にブロアーが便利です。これは人工芝の間に入った枯れ葉や土・ゴミなどを吹き飛ばすまたは吸い取る道具です。コード式やバッテリー式のものがあり、片手操作が可能な小型で軽量の製品もホームセンターやオンラインショップで購入できます。
人工芝のメンテナンスにはブラッシングが重要です。ブラッシングによって、寝てしまった芝が起き上がり、元の美しい状態に戻ります。
この作業はデッキブラシを使って軽く撫でるようにおこなうのがポイントです。使用頻度によりますが、人工芝が寝てしまったと感じた時や、2~3ヶ月に1度の定期的なブラッシングが効果的です。
人工芝の上に、物を置きっぱなしにしないことも大切です。重いものを長時間置いたままにしておくと、芝の葉が寝てしまい劣化が進む可能性があります。また、その場所に枯葉などの汚れがたまり、掃除が困難になることもあります。
ずっと同じ場所に置き続けるのであればいいのですが、使用する時だけ置く場合は、使い終わったら速やかに片付けると良いでしょう。さらに、人工芝の上にテーブルセットを置く際は注意が必要です。特に細いアイアンの椅子などは、椅子の足で人工芝を引っ掛けて傷める恐れがあるため、慎重に扱うようにしましょう。
「人工芝を敷くとゴキブリやムカデが出やすくなる」といううわさを耳にしたことはありませんか?実際には、人工芝を敷いたからといってゴキブリやムカデが増えるわけではありません。これは人工芝がゴキブリの発生を促す、特別な要因を持っていないためです。
人工芝は基本的にプラスチック製で、ゴキブリが食べ物として認識することはなく、彼らが好む環境ではありません。ただし、周囲の条件によってはゴキブリが発生しやすくなる可能性があるため、注意が必要です。ゴキブリやムカデが発生しやすい条件は以下の通りです。
これらの点に注意して管理をすれば、ゴキブリやムカデなどの害虫が住み着く心配はほとんどないでしょう。
人工芝をDIYで設置することは可能ですが、あまりおすすめしません。
人工芝を敷く際に最も重要なのは、下地づくりです。土の上に直接人工芝を敷く場合、整地や土の転圧、さらには水はけを良くするための勾配づくりなど、専門的な技術が求められます。これらの下地づくりが適切におこなわれない場合、人工芝が凸凹になったり、水溜りができたりして、快適に使用できません。
人工芝を敷く場合は、専門の外構業者に依頼することをおすすめします。
一方で、デッキやテラスのように、初めから平らな下地が整っており勾配も適切に取れている場所であれば、人工芝をDIYできます。
DIYで美しく仕上げるコツは、継ぎ目を隙間なく仕上げること、めくれ上がらないように下地にしっかりと接着することです。
人工芝は手軽に美しい景観を手に入れることができますが、その特徴を理解し、設置費用や経年劣化を考慮して品質のいいものを選ぶことが重要です。人工芝の魅力の一つは、手入れが簡単で、一年中美しい緑色を維持できる点です。
しかし、完全にメンテナンスが不要なわけではありません。適切なメンテナンスと使用方法によって、長期間その美しさを保つことができます。また後々後悔しないためには、メリット・デメリットの両方をしっかりと理解した上で取り入れることが大切です。
人工芝はDIYでの設置も可能ですが、長く快適に使用するには、専門の外構業者への依頼をおすすめします。人工芝に関するご相談は、当社「ZOUS(ゾウズ)」まで。外構のプロが対応いたします。