出典:三協アルミ公式HP
カーポートの屋上をルーフバルコニーとして利用できる「カーポートバルコニー」は、コンパクトな敷地を有効利用できるため、近年注目を集めています。しかし、どんな使い方ができのるか、デメリットはないのかと気になっている方も多いのではないでしょうか。カーポートバルコニーは、一般的なカーポートよりも費用がかかるため、導入には慎重な判断が求められます。
そこでこの記事では、カーポートバルコニーのメリットだけでなくデメリットもまとめ、設置の注意点や費用の目安なども解説しています。カーポートバルコニーの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
カーポートバルコニーとは、カーポートの屋根の上をルーフバルコニーとして使える屋根付きガレージのことです。後付けのバルコニーとカーポートを足したような構造で、2階建てのカーポートを設置するイメージです。カーポートを販売するメーカーから、さまざまなタイプの商品が展開されています。
このカーポートバルコニーを設置すると、デッドスペースになりがちな駐車場の屋上が、広いバルコニースペースとして有効活用でき、趣味やレジャーを楽しむ場所が生まれます。そのため、カーポートの新たな選択肢として注目を集めています。カーポートバルコニーは、住宅を新築するタイミングだけでなく、建築後に後付けすることもできます。カーポートバルコニーの設置方法には、「壁付け型」と「独立型」の2種類があります。
出典:三協アルミ公式HP
カーポートバルコニーの「壁付け型」は、住宅の2階からバルコニーに出入りできるように、外壁に接して設置するタイプです。広いバルコニーの下を、駐車場として使うようなスタイルです。
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「独立型」のカーポートバルコニーは、住宅とは切り離して単独で設置できるタイプです。屋上のバルコニー部分へ出入りするための階段が必要になりますが、住宅の向きや位置に関係なく自由に配置できるのが特徴です。
カーポートバルコニーの主な特徴として、次の3つが挙げられます。どのような使い方ができるのか、イメージを広げてみましょう。
出典:三協アルミ公式HP
カーポートバルコニーの大きなメリットは、スペースの有効利用ができることです。「敷地の広さに余裕がなく、駐車場を設置すると庭のスペースを確保できない」「高低差のある敷地で、駐車場が建物より低い位置にある」といった敷地条件では、車を置いたら外では何もできません。しかし、カーポートバルコニーを設置すれば、バルコニーが庭やテラスのような役割を果たし、新たに利用できるスペースが生まれます。
新たに生まれたスペースは、洗濯物を干したり収納に使ったりする実用的な面で役に立つだけではありません。広いバルコニーを、アウトドアリビングとして多目的に活用できるのもメリットです。お天気のいい日には外でカフェタイムを楽しんだり、家族とバーベキューをしたり、また子供たちの遊び場として使ったりと、さまざまなアクティビティが可能になります。外の光を感じながら、気軽に屋外空間を楽しむ場所があることで、日々の生活がより豊かになるでしょう。
カーポートバルコニーが一般的な庭と異なるのは、地面から一段高い位置にある点です。そのため、プライバシーを確保しやすく、周囲の視線を気にせずに過ごせるのが特徴です。庭先で子供を遊ばせると、道路への飛び出しなどが心配ですが、カーポートバルコニーならそのような心配もありません。
一方で、カーポートバルコニーを設置するには、次のようなデメリットもあります。設置する前にデメリットも把握し、解決方法についても合わせて知っておくことが後悔しないポイントです。
出典:三協アルミ公式HP
一般的なカーポートは20万円前後の価格帯から選べますが、カーポートバルコニーは車1台分のサイズでも、100万円以上の費用がかかります。人気のカーポートバルコニーには、400万円を超える商品もあるほどです。高額になる理由は、屋上部分をバルコニーとして使うために十分な強度が求められることや、手すりや柵などの設置も必要なことなどが挙げられます。
予算の制約からカーポートバルコニーの設置が難しい場合は、カーポートバルコニー専用品ではなく、壁付けタイプのバルコニーの下をカーポートとして使う方法もあります。駐車場として使うために設計されたものではないため、車1台分のサイズのみしか選べませんが、100万円程度の費用で設置することができます。
カーポートバルコニーを設置するには、クリアすべき条件がいくつかあります。そのひとつが、建ぺい率です。建ぺい率は、敷地内に建てられる面積の上限を規定したものです。住宅の面積が広くて建ぺい率の上限に近い場合は、カーポートバルコニーの面積にも制約が出てきますので、注意しましょう。
また、壁付け型のカーポートバルコニーを採用する場合、2階からバルコニー部分へ出入りできる間取りかどうか、カーポートは前面道路から無理なく出入りできる位置に設置できるかといったチェックも必要です。2階からの出入りが難しい場合は、独立型のカーポートバルコニーを選びましょう。
法的な条件や使い勝手などをクリアできない場合は、カーポートバルコニーを設置することができません。事前によく条件を確認しておきましょう。
屋根面積が広いため、カーポートバルコニーの設置によって、住まいの通気性や採光性が変わってしまう可能性があります。特に、カーポートバルコニーを南面に設置する場合、1階の南側にある部屋はかなり暗くなることが予想されます。1階は寝室にし、昼間長い時間を過ごすリビングを2階に配置するなど、部屋の間取りや使い方を工夫するようにしましょう。
カーポートバルコニーは、かなり大型の外構設備です。存在感があるため、良くも悪くも住宅の外観イメージに影響を与えます。
カーポートバルコニーそのものは直線的なデザインが多く、シンプルでモダンな住まいとは好相性です。しかし、例えば伝統的な和風の住まいやヨーロッパ風の住宅に設置する場合、外観のバランスを取りにくい可能性もあることを知っておきましょう。
敷地内に10㎡を超える建築物を建てる場合は、建築確認申請の手続きが必要です。ただし、一般的なカーポートの場合、建ぺい率算定の緩和条件に当てはまる商品が多く、実態としてはほぼ確認申請なしで設置されているケースが多いようです。
しかし、カーポートバルコニーの場合は、緩和条件に当てはまらないため、基本的には確認申請の手続きが必要です。確認申請の手続きは建築士に依頼しますが、10万円前後の費用がかかります。カーポートバルコニーの商品代や工事費に加え、確認申請にかかる費用についても予算に入れておきましょう。
上記のようなデメリットを解消し、後悔しないためには、次のようなポイントに注意して導入を検討しましょう。
通常のカーポートとは異なり、建物との取り合いや申請手続きなども必要になるため、専門知識を持たない方がカーポートバルコニーを設置するのはなかなか難しいものです。購入前に設置の可否を判断してもらい、スムーズに工事を行うためには、外構のプロに相談するのが最も良いでしょう。特に、カーポートバルコニーの導入実績のある外構業者なら、商品選びから工事まで安心して依頼できるでしょう。
カーポートバルコニーでどんな過ごし方をしたいのか具体的に考え、設置目的に合わせた商品を選ぶようにしましょう。例えば、子供の遊び場として使うなら、転落事故につながりにくいよう高めの柵やフェンスを選んだり、プール遊びやガーデニングをしたいなら、十分な排水機能を備えたものを探したりする必要があります。必要な機能がはっきりしていれば、設置後にやりたいことができなかったという後悔を避けることができます。
あってはならないことですが、カーポートバルコニーが外部から2階への侵入経路となってしまうことがあります。セキュリティ面での対策を十分に行い、防犯性を高めるようにしましょう。
デメリットとしてもお伝えしたように、カーポートバルコニーの設置には、高額の費用がかかります。しかし、メーカーや商品タイプの違いによって、費用にも幅があります。予算に合うカーポートバルコニーを選ぶためにも、費用相場を知っておきましょう。
<一般的なカーポートバルコニーの費用相場>
車1台分の場合:100万円〜400万円
車2台分の場合:追加50万円〜100万円
<カーポートバルコニー人気商品の費用目安:1台用の場合>
三協アルミ グランフローア:420万円前後
LIXIL ビューステージHスタイル:約100万円
YKK AP エアキューブ:約110万円
カーポートバルコニーの人気商品について、特徴もお伝えします。
出典:三協アルミ公式HP
高いデザイン性や多彩なバリエーションで人気のカーポートバルコニーが、三協アルミの「グランフローア」です。他のメーカーとの違いは、カーポートバルコニー専用品として展開している点です。そのため、費用も少し高めで、以下の価格で販売されています。
出典:LIXIL公式HP
カーポートバルコニー専用品ではないものの、広めのバルコニーをカーポートバルコニーとして利用できる商品です。そのため、対応できるのは車1台分のサイズのみです。バルコニー兼用のため、費用は少し抑え目で、約100万円〜の費用で設置可能です。
出典:YKK AP公式HP
こちらも、カーポートバルコニー専用品ではなく、バルコニーを兼用するタイプです。手すりや目隠しとなるフェンス部分のバリエーションが豊富で、デザイン性も高い点が魅力の商品です。車1台分のスペースに対応した商品のみの展開で、費用は約110万円からとなっています。
コンパクトな敷地でも、駐車場と庭としても使える広いバルコニーを設けられるのがカーポートバルコニーの魅力です。自宅にプライバシーが確保された屋外スペースがあると、より豊かな過ごし方を楽しめるでしょう。一方で、大型の外構設備になるため、設置には慎重な判断が必要です。デメリットも踏まえ、外構のプロに相談して導入の可否を検討しましょう。
千葉で外構に関するお悩みがある方は、当社「ZOUS(ゾウズ)」(までお気軽にご相談ください。
「Outside & Life Style 自分の庭を遊び尽くす!」をモットーに、海外のようなお庭で、外の目を気にせずプライベートが楽しめる空間デザインを得意としています。これまで数々のエクステリアを手掛けてきた知識と経験の豊富なスタッフが多数在籍しています。
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