「カーポート設置における基礎工事の流れを知りたい」
「基礎工事が適切に実施されているのか不安」
「信頼できる業者に依頼したい」
「基礎工事を含めたカーポート設置の施工期間を知りたい」
カーポート設置においても、基礎工事は非常に重要になります。なぜなら、基礎工事が手抜きされていたり、適切な順序を踏まずに工事されていると、時間の経過と共に傾きやヒビ割れといった症状が出ることがあるからです。
本記事では、カーポート設置における基礎工事の役割と注意点、基礎工事の費用と業者選びのポイントについて詳しく解説しております。
本記事を読み終えると、カーポート設置における基礎工事の重要性と基礎知識だけでなく、業者選びのポイントも分かるので、カーポート設置をご検討中の方は参考にしてください。
カーポートは長年使用することが前提です。だからこそ、基礎工事が重要になります。時間が経過しても満足できるカーポートの設置には、信頼できる業者の存在が欠かせません。信頼できる業者に依頼して、納得できるカーポート設置を目指しましょう。
目次
カーポートは、柱と屋根によって造られた簡易な車庫のことです。カーポートを設置することで、雨や風、紫外線から車を守ることができるので、汚れを防ぐだけでなく、塗装劣化を遅らせることもできます。
そんなカーポートを設置するときに欠かせない工事が、基礎工事です。まずは、カーポート設置までの流れと、基礎工事が果たす役割について見ていきましょう。
基礎工事は、カーポートを支える柱の根元を固める工事です。そういう意味でも、基礎工事はカーポートの安全性を支えるうえでも重要な工事になります。
カーポートを設置するまでの工程は以下の3つに分かれます。
このうち、柱用の穴の掘削と柱の基礎工事がカーポート設置における基礎工事に分類されます。
ここからは、カーポート設置における基礎工事の流れを見ていきましょう。基礎工事は2つの工程に分けることができます。それが「基礎」と「柱の設置」です。
まずは、基礎から見ていきましょう。
まずは、業者立ち合いのもと、柱を立てる位置や高さを確認して決定します。なお、柱の本数は設置するカーポートによって変わることを覚えておきましょう。
カーポートの片側だけに柱を設置して支える片側支持タイプだと基礎穴は基本的に2か所です。一方、両側支持タイプ(4本の柱によって支えるタイプ)の基礎穴は4か所になります。
柱を埋める基礎穴を掘る作業です。カーポートに合わせた基礎穴を掘っていきます。なお、基本的な深さは60cm程度です。
基礎穴を掘り進めていると硬い岩盤などがあるケースがあります。この場合、はつりハンマーという道具を使い岩盤を削っていきます。
カーポートの柱を設置するときは、安全性の問題から基礎穴の深さが定められています。そのため、既定値まで基礎穴を掘る必要があるのです。
なお、既定値となる柱を埋め込む深さや穴の広さは、商品によって定められています。そのため、設置するカーポートによって工事費用が変わる可能性があることを覚えておきましょう。
カーポートを後付けする場合は、設置場所がコンクリートであるケースもあります。この場合は、基礎穴を掘る準備作業としてハツリ工事が必要です。
当然、工程が増えるので費用も膨らみます。ハツリ工事が必要な場合は、追加費用がどれくらいかかるのかを把握することが大切です。依頼前には、ハツリ工事費用についても確認しておきましょう。
続いて柱の設置です。
基礎穴が完成したら、柱が水平になるように穴の底にプレートを置き、プレートの上に柱を設置します。
柱を設置すると、砂とセメントと水を使ってモルタルを作ります。モルタルを作るときは、うまくこねながら混ぜていかなければいけません。なぜなら、うまくこねながら混ぜないと強度が出ないからです。モルタル作りは基礎工事の中でも穴掘りと同じくらいの重労働ですが、強度を高めるうえでも重要な工程です。
基礎穴に立てた柱のまわりにモルタルを流し込んでいきます。
柱が垂直になっているのかを水平器といく道具を使って確認していきます。この作業をしているときは、モルタルはすでに流し込まれている状態です。
そのため、少しずつモルタルが固まり始めていきます。当然、モルタルが固まってしまうと柱を動かすことはできません。そのため、正確性と早さが求められます。
以上の工程で柱の設置は完了です。モルタルが固まれば、屋根を組み立てていくことでカーポートは完成します。
カーポート設置の施工期間は設置するカーポートによって変わります。ただし、基本的に施工期間は約2日間から約7日間です。
1台用の片側支持タイプのカーポートであれば、2日間程度で工事は終了します。初日に柱の設置までを実施し、モルタルが固まるのを待つために1日置くのが一般的です。
翌日、モルタルが固まったのを確認して問題がなければ、骨組みを組み立てて屋根の取付作業を始めます。
なお、基礎穴を掘る時に硬い岩盤などがあり、掘削作業が思うように進まない場合は、施工期間が延びることもあるので覚えておきましょう。
カーポート設置の基礎工事を実施するときは、以下の5つの点に注意しなければいけません。
ここからは、カーポート設置工事の前に確認しておきたいポイントを解説します。
カーポートを設置するときは、基本的に建築確認申請が必要になります。なぜなら、カーポートは土地に定着した柱と屋根があるので建築物に該当するからです。
実は、床面積が10㎡を超える建築物の増築は建築確認申請が建築基準法によって義務付けられています。そして、建築確認申請は所有者がしなければいけません。申請には、建築計画概要書や図面、構造図面といった書類が必要になるので、専門知識が必要になります。そのため、専門家に代行依頼するのが一般的です。
なかには、建築確認申請を忘れてしまう方もいらっしゃいますが、後から無申告が発覚すると、手続き違反になるだけでなく、建築物の瑕疵となり売却が難しくなる可能性があるので注意しましょう。
敷地面積に対して、建築可能な面積の割合を建ぺい率といいます。先程も解説したとおり、カーポートも建築物に該当します。そのため、カーポートを設置するときはカーポートの面積も含めたうえで、建ぺい率を計算する必要があるのです。
つまり、建ぺい率が上限に達している場合は、敷地内に新しくカーポートを設置することができません。ただし、緩和措置があり条件に当てはまっていれば建築面積が建ぺい率に算入されないので設置が可能になるケースもあります。
ここからは、緩和措置の条件を見ていきましょう。
上記の条件に当てはまる建築物は建ぺい率に算入されません。つまり、カーポートによっては建ぺい率が上限近くても設置できる可能性があるということです。建ぺい率に不安を感じている場合は、業者に相談して設置可能なカーポートを提案してもらうのも1つの方法です。
カーポートの基礎工事前には、残土やガラスの処理方法について決めておかなければいけません。基礎工事では、柱を埋めるための基礎穴を50cmから60cm程度掘っていくので、残土やコンクリートのガラが大量に発生します。
そして、これらの残土やガラ処分を業者に依頼すると処理費用が必要になるのです。なかには、費用を抑えるために自分で処理しようと考える人もいらっしゃいます。実際、産業廃棄物の処理上に持ち込めば処理は可能です。
しかし、残土やガラの量は柱1本につき土のう袋5袋程度といわれているので、気軽に処分できる量ではありません。残土やガラの処理をご自身で行う場合は、想像以上に量があることを覚えておきましょう。
基礎工事を実施する前には、埋設物について考えておかなければいけません。地中には、水道管やガス管などの埋設物が存在します。カーポートの柱は、これらの埋設物に干渉しない位置に設置しなければいけません。
そのため、埋設物の位置によっては柱を設置することが難しいケースがあります。このような場合は、施工計画を見直す必要があるので注意しましょう。
既存のカーポートを撤去して、新しいカーポートを設置する場合は、撤去費用がかかります。なかには、柱や基礎穴は再利用できるのではないかと疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
しかし、基本的に古いカーポートの残存部品を活用した工事は実施できません。これは、柱も基礎穴も同じです。古いカーポートを解体した後は、柱の根元をカットして、地中部分をモルタルで埋め戻さなければいけません。
新しいカーポートの設置工事は古いカーポートを撤去してからになることを覚えておきましょう。
カーポートの設置工事は基礎工事と組み立て工事に分けることができます。では、工事費用とは、どちらの工事のことを指すのでしょう?実は、カーポートの工事費用は基本的に、基礎工事と組み立て工事の両方が含まれています。
そのため、工事費用とカーポートの本体価格を合計すると、カーポート設置に必要な費用が分かるのです。では、実際の工事費用相場を見ていきましょう。
作業内容 | 相場 |
---|---|
標準工事 | 約4万円から約6万円程 |
コンクリート打設 | 約20万円から約30万円(1台用) |
残土処理 | 1立方メートルあたり約5,000円 |
もちろん、設置するカーポートの種類や大きさによって工事費用も変わります。たとえば、片側支持タイプなら柱は2本なので、基礎穴は2つです。
しかし、両側支持タイプになると柱が4本なので4つの基礎穴が必要になります。このように、設置するカーポートによって費用が変わるので、上記の工事費用はあくまで目安として覚えておきましょう。
カーポート設置において、基礎工事は非常に重要です。だからこそ、信頼できる業者への依頼が大切になります。では、業者を選ぶポイントはどこにあるのでしょう?
ここからは、カーポート設置を依頼する業者選びのポイントを解説します。
業者選びにおいて、最も重要になるのが専門業者への依頼です。なかには、当たり前だと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、カーポートの設置を専門業者に依頼しない人は意外にも多いのです。
では、専門業者以外のどこに依頼するのでしょう?それが、工務店やハウスメーカーです。とくに、家を建てたハウスメーカーや工務店に依頼する人は多く存在します。依頼する人からすれば、家を建ててくれたところなので安心できると思われての決断かもしれません。
しかし、ハウスメーカーや工務店に依頼すると、下請け業者に発注することになるので、仲介手数料が上乗せされる可能性があるのです。つまり、費用が膨らむ可能性が高いということです。
無駄な費用を上乗せしないためにも、カーポートの設置工事は専門業者へ直接依頼するようにしましょう。
カーポートの組み立て自体は、それほど難しいものではありません。しかし、基礎工事は別物です。なぜなら、長年使用していくカーポートの設置には長年の経験とノウハウを活かした基礎工事が必要になるからです。
ここで、大切になるのが信頼できる業者探しになります。では、信頼できる業者を見分けるポイントはどこにあるのでしょう?それが、施工実績です。施工実績を見ることで、業者のこれまでの仕事を確認できます。依頼する業者を選ぶときは、必ず施工実績を確認しましょう。
また、業者の提案力を確認することも、信頼できる業者かどうかを判断するポイントになります。提案力を確認するためには、見積もりを依頼するといいでしょう。なぜなら、予算や求める機能を伝えることで、最適なプランを提案してくれる業者も存在するからです。
見積もりの段階で、最適なプランを提案してくれる業者であれば、工事も安心して任せることができるでしょう。なお、見積もりは複数の業者からもらうようにしてください。複数の見積もりをもらうことで、比較検討が簡単になるだけでなく、相場も見えてくるようになるからです。
業者を選ぶとき、必ず確認しておきたいのが対象業者のホームページです。なぜなら、エクステリア業者の多くはホームページに施工実績を掲載しているからです。
また、ホームページを見ると、施工実績だけでなく、自社の強みや特徴も記載されています。これらの情報は業者選びにおいても1つのポイントになるので、気になる業者を見つけたときはホームページを確認しましょう。
なかには、ホームページを持たない業者も存在します。しかし、ホームページがなければ、施工実績の確認も、業者の強みや特徴も把握できません。分からないまま依頼するとリスクが残ります。ホームページを持たない業者への依頼は、慎重に判断しましょう。
カーポート設置における基礎工事は、最も重要な工程といっても決して大袈裟ではありません。なぜなら、カーポートの土台は基礎工事によって作られるからです。どれだけ立派な上物を建てても土台がしっかりしていなければ安全性の面で不安が残ります。
カーポート設置における基礎工事は、大切な土台を作る工程なので、依頼する業者選びが重要です。長年にわたって、愛車を守る役目を果たすカーポートの設置を検討しているのであれば、経験とノウハウを積み上げた信頼できる業者への依頼を目指しましょう。