近年のサウナブームにより、サウナの健康効果や美肌効果が注目され、本格的な北欧式のサウナ施設なども増加しています。そんな中、好きな時間にゆっくり入れる家庭用サウナに注目が集まっています。
しかし、自宅にサウナを設置するにあたって、どのようなデメリットがあるかわからず、設置を迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家庭用サウナを検討する際に知っておくべきデメリットや、選ぶときのポイントなどを詳しく解説していきます。家庭用サウナの導入を成功させるために、ぜひ参考にしてください。
目次
家庭用サウナとは、自宅に設置するサウナのことです。近年、サウナ愛好者が増えたことで、専用施設は混雑することが多くなりました。
その結果、施設を利用せずにサウナを楽しめるよう、自宅にサウナを設置する家庭が増加しています。国産メーカーからもコンパクトな設備が登場し、選択の幅が広がっています。
ここでは、自宅に設置できる家庭用サウナの種類をご紹介します。
家庭用サウナは、高温のドライサウナ、やや高温でロウリュができるフィンランド式サウナ、低温のミスト・スチームサウナと、サウナ施設と同様にさまざまな温度タイプから選べます。
また、中温の遠赤外線サウナも人気です。遠赤外線サウナは、遠赤外線ヒーターなどからの放射熱で体を温めるので、空気の対流をさせるドライサウナのような息苦しさがなく、長い時間入れます。
家庭用サウナでは、どの温度タイプも1人用からサイズ展開されているため、家族の人数などのニーズに合わせて選べます。
自宅に設置できる代表的な据え置き家庭用サウナは、主に4種類あります。
サウナの種類 |
特徴 |
デメリット |
---|---|---|
屋内用ボックス型サウナ |
温度タイプとサイズが豊富 |
室内に設置場所が必要 |
バレルサウナ |
屋外に設置する樽型タイプ |
費用が高い・サイズが大きい |
テントサウナ |
キャンプなどでも楽しめる |
組み立てや片付けが面倒 |
遠赤外線ドームサウナ |
寝そべって使う |
温度が60℃までしか上がらない |
屋内用ボックス型サウナは、1人用・2人用・3人用・4人用と、細かくサイズ展開しており、間取りに合わせて設置できるため、自宅でも本格的なサウナを求める方に人気です。
これらの他に、オーダーメイドの埋め込み型もあります。その場合、自宅の1室を丸ごとサウナルームにするため、高額の工事費用が必要です。
家庭用サウナは気軽にサウナを楽しめ、リラックスできたり体質改善ができたりなど、多くのメリットがあります。
しかし、設置する際はいくつかデメリットもあります。設置してから後悔しないよう、メリットだけでなく、デメリットについても事前に理解しておくことが大切です。
ここでは、家庭用サウナを設置する際に知っておきたい、具体的な8つのデメリットについて解説します。
家庭用サウナを楽しむためには、設置にまとまった初期費用が必要な点がデメリットです。最も安価な遠赤外線ドームサウナで7万円以上、次に手軽なテントサウナでも20万円以上は初期費用がかかります。
さらに、屋内用ボックス型サウナとなると、1人用サイズでも40万円以上、屋外用のバレルサウナでは100万円以上など、高額な費用がかかります。
また、設置場所によっては、ストーブ用の電源の確保や、防水処理工事などが必要なこともデメリットになる可能性があります。
家庭用サウナの設置時は、ある程度スペースが必要な点もデメリットになり得ます。
小さな家庭用サウナで0.5畳ほど、小型のテント式の場合も最低1平米程度の床面積が必要です。そのため、洗面所や脱衣所などに設置しようとして、スペースが足りずに断念するケースもあります。
また、十分なスペースがない場合、リフォームで設置場所の確保が必要ですが、その分他の間取りを圧迫することがデメリットになることもあります。
コンパクトなサイズの家庭用サウナを設置する場合、狭くてくつろげないというデメリットが発生する可能性があります。
サウナの専門施設の場合、複数人で使用する前提で作られているため、余裕のあるサイズで作られています。しかし、家庭用サウナの場合、コンパクトで開放感に欠けるため、くつろげないと感じる方もいるでしょう。
また、サウナで本格的に整うためには、水風呂やシャワー、休憩スペースなども必要ですが、自宅では別途広い場所を確保するのが難しいケースも多いです。その結果、「気持ちよく整えられない」ことがデメリットに感じられる場合もあります。
家庭用サウナは、入る前に自分で温度設定するため、準備に時間がかかる点がデメリットです。
比較的温まるのが早い電気ストーブの場合も、スイッチを入れてから適温になるまで、約30分はかかります。薪ストーブの場合は、1時間以上かかることもあるでしょう。
また、水風呂の準備にも時間と手間がかかります。そのため、家庭で手軽に入れるとはいえ、「入りたい」と思っても準備なしでは入れないデメリットがあります。
家庭用サウナは、水風呂の準備に工夫が必要な点が、デメリットに感じられる場合もあります。特に夏は水温が高いため、浴槽に水を入れる際には冷却装置(チラー)や氷を使って適温にする手間がかかります。
一般的な施設の水風呂は、15〜20℃前後に設定されています。しかし6〜9月頃の家庭用水道水は、水温が20℃を超えてしまうため、時間をかけて水を冷やすことになるでしょう。
なお、なかなか水道水が冷えない場合、冷感作用のある入浴剤を使う方法もあります。
家庭用サウナは、カビ防止や消耗品交換などのメンテナンスが必要な点もデメリットです。
家庭用サウナは高温・高湿度になるため、カビが生える可能性があります。特に木材を使っている場所は通気がうまくいかないと、カビの成長を促してしまいます。
カビによるデメリットを防止するためには、定期的な換気と清掃、年に数回の大掃除が必須です。また、電気ストーブ・ストーンは消耗品のため、設備のメンテナンスや交換を定期的に行う必要があります。
家庭用サウナの使用時は、電圧や電気代を注意しなければならない点もデメリットです。
家庭用サウナには、IHクッキングヒーターなどと同じように、200Vの電圧が必要となります。一般的な家庭では電気容量を30〜40A(アンペア)で契約していることが多いため、そのままの電圧でサウナに入ると、ブレーカーが落ちる可能性もあります。
そのため、家庭用サウナの設置時は、60A以上・200Vの電圧への電気工事や、電気契約の引き上げが必要です。その結果、工事費用や毎月の電気料金がかかるというデメリットが発生します。
また、床暖房などを使用する家庭の場合は、100Aでの契約も検討しましょう。
家庭用サウナは、飽きて処分しようと思った際、処分費用がかかる点もデメリットとして挙げられます。
家庭用サウナを設置しても、家族構成、ライフスタイル・ライフステージの変化によって、不要になる可能性はあります。その際、簡易的なサウナでない場合は、相応の処分費用や手間がかかります。
たとえば屋内用ボックス型の場合、かなりの重量があるため自分で廃棄することは難しく、解体と運び出しのために専門業者に依頼する必要があります。
以上見てきたように、家庭用サウナにはデメリットもありますが、ポイントを押さえて設置すれば、それ以上のメリットが得られます。ここでは、家庭用サウナの設置で失敗しないためのポイントをご紹介します。
家庭用サウナを選ぶ際、デメリットを最小限に抑えるには、自分が求めるタイプを把握しておくことが大切です。また、希望のプサウナを作るためには、どのような環境が必要かも確認しましょう。
家庭用サウナを選ぶ際、チェックしたい項目は以下の通りです。
これらの内容を踏まえて、自分に合うタイプを検討しましょう。
サウナは、温度・湿度の違いによって効果・効能の特徴が異なります。目的と異なる温度のものを選ぶと、それがデメリットに繋がる可能性があるので注意しましょう。
温度・湿度別の特徴と効果は、以下の通りです。
サウナの種類 |
温度 |
湿度 |
効果・効能 |
---|---|---|---|
ドライサウナ |
高温(80〜100℃) |
10%程度 |
リフレッシュ効果や疲労回復、むくみ解消、快眠効果があります。 |
遠赤外線サウナ |
中温(65〜70℃) |
10〜15% |
ゆっくり体の芯から温めるため、肩こりや冷え症に効果があります。 |
ミスト・スチームサウナ |
低温(40〜60℃) |
80〜100% |
肌の老廃物や汚れを取り、美肌効果があります。 |
家庭用サウナを設置する際は、費用がデメリットに感じられないよう、初期費用に加えて、ランニングコストやメンテナンスコストも含めて検討しましょう。
たとえば、屋内用ボックス型の場合、電気代は1時間あたり100円前後かかります。毎日使う前提だと、1ヶ月で約3,000〜4,000円かかる計算になります。ただし、ストーブの種類やランクによっても費用が変わります。
また、サウナ設備の寿命は20〜30年ほどで、10年に一度は電気点検が必要です。他にも、メンテナンス代や、屋外の場合は排水設備の点検などに費用がかかります。
設置後にコスト面でデメリットを感じないよう、これらの費用を念頭に置いたうえで適切な商品を選びましょう。
家庭用サウナを選択するとき、狭くさをデメリットに感じないよう、利用人数でサイズを選ぶことも大切です。
1人で使う、夫婦や子どもと使う、友人を招いて使うなど、利用人数を想定して選びましょう。また、家族構成やライフステージの変化により、使う人数が変わっていくことも考慮する必要があります。
以下は、屋内用ボックス型サウナの具体的なサイズを表したものです。高さは約195〜200cm程度が主流ですが、最もコンパクトなものでは165cmの高さもあります。
利用人数 |
サイズ |
---|---|
コンパクト1人用(0.5畳弱) |
横幅約65~85cm、奥行き約75~90cm |
ゆったり1.5人用(0.5畳) |
横幅約88~92cm、奥行き約105㎝~120cm |
2人用(1畳弱) |
横幅約92㎝~125cm、奥行き約92㎝~130cm |
3人用(1.5畳) |
横幅約105㎝~123cm、奥行き約99~180cm |
4・5人用(2畳) |
横幅約165~180cm、奥行き約128~180cm |
家庭用サウナを設置する際に気をつけたいのは、法律に基づいた安全性が保証されたサウナを選ぶことです。
家庭用サウナによる漏電や火災などのリスク・デメリットを防ぐためにも、PSE認証(PESマーク)を受けているものを選びましょう。
日本の消防法や電気用品安全法では、電気製品の安全性を確保するために、PSE認証取得が義務付けられています。認可を受けている専用ストーブは、最大温度が決められているなど、安全性が配慮されています。
中には、近年のサウナブームで需要が高まっていることから、日本の法規制に対応しない製品も出回っています。そのため、通販サイトなどで購入する際は、特に注意が必要です。
家庭用サウナには、組み立て済みのタイプと、設置場所で組み立てるタイプがあります。その際、特に組み立て済みタイプの場合は、玄関から搬入できるかなど、サイズ確認が必要です。
また、サウナを2階より上に設置したい場合は、宙づりにして上階から搬入することも考えられます。
さらに、サウナの種類や設置場所の条件によっては、床の補強工事が必要な場合もあるため、それらをデメリットに感じないよう、事前に確認しておきまましょう。
家庭用サウナを購入する際は、設置場所に正しく置けるかどうか必ず確認しましょう。
たとえば、家庭用サウナの中でも屋内用ボックス型を設置する場合は、サウナ本体と左右の壁はそれぞれ数cm~15cmほど離すよう決められています。
設置スペースを確保する際に、メーカーから推奨される壁からの距離を確認しておきましょう。
家庭用サウナを長く愛用するためには、日々のお手入れが重要です。
最も注意が必要なのは、カビの発生です。カビは温度が25〜30℃、湿度が60〜80%の環境で発生します。さらにホコリや皮脂汚れが栄養となるため、こまめに掃除や換気することが大切です。カビが生えてしまったら、カビ取り剤や塩素系漂白剤などを使うのが一般的です。
また、ゴシゴシと強くこすると表面に傷がつき、カビが生えやすくなるため注意しましょう。
家庭で本格的なサウナを楽しむために、サウナ・水風呂・休憩のルーティンをつくれるよう、動線を意識して設置場所を決めましょう。
また、健康効果を期待するなら、サウナ10分、水風呂2分、休憩10分のサイクルが理想的です。正しい入り方を実行することで、体調が良くなるだけでなく、心の疲れも癒やされます。
家庭用サウナに飽きたときのデメリットを最小化するため、処分方法と費用を把握しておきましょう。
据え置きタイプの場合、処分費用は約5~15万円が相場です。しかし、サイズが大きく解体・撤去するスペースが必要だったり、ストーブの種類によっては処分費用がさらにかかったり、サウナの種類によって費用が異なります。
そのため、特に大きなサイズを設置する場合は、概算の処分費用を確認しておくと良いでしょう。
家庭用サウナでロウリュをする場合、フィンランドでは薪ストーブが主流ですが、日本では電気ストーブが多く活用されています。
しかし、ロウリュはストーンに水をかけるため、電気ストーブの取り扱いを間違えると故障の原因となります。ロウリュ専用ストーブであっても慎重に扱い、正しく安全にロウリュを楽しみましょう。
ここまで、家庭用サウナを検討する際に知っておくべきデメリットや、選ぶときのポイントなどを詳しく解説してきました。
家庭用サウナは、メーカーによって多種多様なタイプがあります。本格的なサウナを自宅で楽しむためには、まとまった費用が必要なため、後悔しない選択をする必要があります。
その点、事前にデメリットを知っておけば、自宅の環境にあった設備を検討しやすくなり、デメリット以上のメリットを得られるでしょう。
今回の記事の内容を参考にしながら、満足度の高いサウナ設備を導入し、サウナライフを楽しみましょう。
千葉で自宅サウナの設置を検討されている場合は、当社までお気軽にご相談ください。
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