外構工事には相応の費用がかかるため、DIYで費用を抑えようと考える方も多いです。特に、フェンス工事は一見簡単そうに思われるため、ホームセンターの資材を使って、DIYで行おうとする方が少なくありません。
しかし、外構工事で大切なのは費用だけではありません。そのため、満足のいくフェンス設置を実現させるためには、業者に依頼した方がいいのかDIYした方がいいのかを、適切に見極めることが大切です。
そこで今回は、フェンス工事がDIYできるのかについて解説します。フェンス設置をご検討中の方はもちろん、外構工事費用を少しでも抑えたい方やDIYを検討している方は、ぜひご一読ください。
目次
フェンス工事をDIYするのか業者に依頼するのかを決める際は、フェンスに関する基礎知識を知っておくことが大切です。ここでは、目隠しフェンスと一般的なフェンスの違いや、フェンスの種類、代表的な素材などについて、詳しく確認していきましょう。
フェンスは、大きく「一般的なフェンス」と「目隠しフェンス」の2つに分けられます。この2つは役割に違いがあります。
一般的なフェンスの役割は、境界を仕切ることです。隣家との仕切りのためや、道路と敷地を仕切るために設置されます。また、不法侵入の抑止や、動物が敷地に入るのを防ぐ効果もあるので、設置すると安全性を高められるのも特徴です。
一方、目隠しフェンスは周囲からの視線をカットできる形状になっていて、プライバシーを守る役割も果たします。また、パネルの隙間が小さな目隠しフェンスを設置すると、風や砂埃の吹き込みを防止できます。そのため、庭で過ごす時間が多い方にとっては、快適に過ごせる環境を作るために欠かせないアイテムといえるでしょう。
フェンスには複数の種類が存在していて、それぞれ特徴や価格に違いがあります。ここからは、代表的な5種類のフェンスについて、詳しく見ていきましょう。
メッシュフェンスは、網目状の見た目が特徴的なフェンスです。フェンスの中でも価格が安く、多くの外構で使用されています。素材はスチール製とアルミ製があり、スチール製のものは耐久性の高さが特徴です。
目隠しフェンスのなかでも、最も一般的に知られているのが横格子フェンスです。横格子フェンスを設置すると、横に伸びている印象を与えるので、庭が広く見える効果があります。決まった高さや場所からの目隠しできるので、隣家などの特定の場所からの視線を遮りたい場合におすすめです。
縦に板を等間隔に並べたタイプのフェンスが、縦格子フェンスです。横格子フェンスが横に伸びている印象を与える一方で、縦格子フェンスは引き締まった印象を与えるのが特徴です。スタイリッシュな外構やカッコいい外構を目指している方は、選択肢の1つになるでしょう。
また、縦格子フェンスは、正面から見るとすき間があるように見えますが、斜めから見えにくく、動いているものからの目隠しが得意なのが特徴です。そのため、歩行者や自動車などからの視線を遮れ、道路沿いに適した選択肢といえます。
周囲からの視線をすべて遮ることができるのが、完全目隠しフェンスです。プライバシー保護や防犯対策としては、最も効果が高いフェンスになります。
ただし、風や太陽の光も遮ってしまうので、圧迫感が出る可能性があることは理解しておかなければいけません。設置場所や庭の大きさによっては、想像以上に圧迫感が出る場合もあるので、設置は慎重に判断しましょう。
目隠しと通気性を両立できるのが、ルーバーフェンスです。細長い羽板を、すき間をあけて並行に並べているので、十分な通気性を確保できます。また、可動式のルーバーフェンスは目隠し幅を調整できるので、昼間はルーバーを開けて通気性を確保し、夜はルーバーを閉じて防犯性を高めるなどの調整が可能です。
目隠しフェンスの代表的な素材が次の4つです。
ここからは、それぞれの素材の特徴を詳しく解説していきます。
スチール製の特徴は、強度の高さと価格の安さです。安価で強度が高いので、多くの外構や住宅で設置されています。また、格子状の形状が多く、さまざまなデザインに合わせやすいのも特徴です。
アルミ製の特徴は、サビと腐食に強いことです。特別なメンテナンスを実施しなくても、耐久性を維持できるので、長期間使用できることで知られています。
天然素材の温もりが魅力の天然木製は、木の種類や木目のバリエーションを楽しめるのが魅力です。しかし、天然素材は腐りやすいデメリットがあるので、塗装や防腐などのメンテナンスを定期的に実施しなければいけません。そのため、天然木製のフェンスを選択するときは、メンテナンスについて考慮しておく必要があります。
木目や木の風合いを楽しみながら、天然木製のデメリットである腐食や害虫被害を軽減できるのが、樹脂製の魅力です。木の質感を楽しみたいものの、メンテナンスの手間を減らしたい方にとっては、選択肢の1つになります。
フェンス工事は、外構工事のなかでも比較的費用がかかる工事です。そのため、費用面を心配される方は少なくありません。なかには、DIYによって工事費用を抑えようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、DIYと業者への依頼は、それぞれにメリットとデメリットがあるので、慎重に選ぶことが大切です。ここからは、DIYと業者依頼それぞれのメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。
フェンス工事をDIYするメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
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DIYのメリットで見逃せないのが自由度の高さです。フェンス工事を業者に依頼するときは、基本的にフェンスの購入から工事までがセットになっています。
そのため、依頼する業者によってはフェンスの選択肢が少なくなります。場合によっては、ホームセンターで見て気に入ったフェンスを選択できないケースもあるため注意が必要です。
その点、DIYであればフェンスの選択肢は広がります。このメリットに魅力を感じる方は少なくありません。DIYで設置する場合は、ホームセンターだけでなくネットの商品も対象となるので、選択肢の幅が広がります。
一方、デメリットとして忘れてはいけないのが、耐久性に不安が残ることです。特に、高さがあるフェンスを設置するときは、基礎工事が必要になる点に注意しなければいけません。
正しい施工法で基礎工事が実施できていないと、数年で倒れてしまう可能性もあります。設置するフェンスによっては、倒れることで隣家に迷惑をかける可能性があるだけでなく、怪我のリスクもあるので慎重に判断しましょう。
なお、フェンス工事をDIYすると、業者に依頼する場合と比べて、1mあたり約3,000円から4,000円程度のコストカットを見込めます。たとえば、10mのフェンスを設置する場合は、約3万円から4万円程度の節約ができるということです。ただし、実際の設置場所や周辺状況によって費用が変わるので、上記の費用はあくまで目安として覚えておきましょう。
続いて、フェンス工事を業者に依頼した場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
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フェンス工事では、柱の本数や部品の個数を計算しなければいけません。しかし、これらの計算は素人には難しく、間違えてしまうと強度に問題が出てしまいます。
業者に依頼すると、これらすべてを任せられるのは大きなメリットです。また、仕上がりがきれいなのはもちろん、保証期間があることも見逃せません。
ただし、業者に依頼するとフェンス購入から工事までがセットになっているので、依頼する業者によっては選択肢が少なくなるのはデメリットです。ホームセンターで気に入った商品があっても、それを設置できないこともあります。この点は、業者に相談し、あらかじめ取り扱っているフェンスを確認して対応しましょう。
フェンス資材は、ホームセンターでも販売されているため、それらを使ってDIYで工事できるか気になる方も多いでしょう。結論を言えば、ホームセンターの資材だけでDIYは可能です。しかし、DIYに向いているフェンスと向いていないフェンスがあることは覚えておかなければいけません。
DIYに向いているのは、アルミ製のフェンスです。アルミ製のフェンスには、DIYによる設置を前提としたキットタイプがあり、留め具で柱とパネルを簡単に固定できます。
そのため、DIYの経験がある方であれば簡単に設置できるでしょう。気になる方は、一度ホームセンターに行き、どのようなキットがあるのかを確認してください。
一方で、樹脂フェンスはDIYに向いていません。なぜなら、樹脂フェンスは現地で組み立てる必要があるだけでなく、ちょっとした歪みによって仕上がりが大きく変わってしまうからです。DIYする場合は、ご自身の経験や知識に応じた選択を心がけましょう。
フェンス工事をDIYするときは、設置場所の状況を考慮することも大切になります。なぜなら、状況によってDIYしやすかったり、反対にDIYが難しくなったりするからです。
たとえば、設置するフェンスの高さが120cm以下の場合は、比較的DIYしやすいといえます。高さがあるフェンスだと強度を考慮しなければいけませんが、120cm以下であれば、それほど難しく考える必要がないからです。また、ブロックに柱穴が空いている場合は、ブロックの穴あけが必要ないのでDIYしやすくなります。
さらに、日頃からDIYを経験していて道具が揃っている場合は、道具を購入する必要がないうえに、これまでの経験を活かせるので、DIYしやすいといえるでしょう。一方、高さが180cm以上のフェンスや、長さが10mを超えるフェンスを設置する場合は、作業が難しくなるのでDIYには向いていません。
また、隣家との境界ブロックに手を加えなければいけない場合は、ブロックが倒壊するとトラブルに発展する危険があります。そのため、DIYせずに業者に依頼した方がいいでしょう。フェンス工事のDIYを検討するときは、設置場所の状況や、設置するフェンスの高さや長さを考慮した上で判断してください。
ここでは、フェンス工事をホームセンターの資材でDIYする具体的な方法について、詳しく確認していきます。これからDIYでの作業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
フェンス工事をDIYするときは、下記の資材と工具が必要になります。
これらの資材と工具は、すべてホームセンターで揃えられます。
ホームセンターで資材と道具を揃えたら、実際にフェンス工事を進めていきます。具体的な設置手順は以下の通りです。
以上で、フェンス工事は完了です。手順としてはシンプルですが、特に水平の確認が仕上がりや強度に大きく関わってくるので、丁寧な作業を心がけましょう。
フェンス工事のDIY費用は、設置するフェンスの長さや基礎の数によって変わります。ここでは、長さ10mのフェンスを設置する場合の目安となる費用を見ていきましょう。
資材 | 価格 |
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フェンス本体(2m) | 2m:約4,000円 5セット:約2万円 |
独立基礎 | 基礎1つ:約600円 5カ所に設置:約3,000円 |
モルタル(1kg) | 1kgあたり:約300円 (使用量:5カ所で1kg) |
上記の例でいえば、2mのフェンスを5セット、つまり10mのフェンスをDIYする場合は、約23,300円が必要になります。ただし、ホームセンターによって価格に差があるので、その点は覚えておきましょう。
工事をDIYする場合と業者に依頼する場合のメリットとデメリットが分かっても、どちらを選べばいいのか悩まれる方もいらっしゃるでしょう。このとき、大切なポイントは設置するフェンスの高さや長さ、種類や設置場所です。
敷地を仕切る役割としてフェンスを設置する場合は、高さが必要ないケースもあるので、DIYで設置するのも1つの選択肢になります。しかし、目隠しフェンスなどを設置するときは、目的に合わせたフェンスの選択が必要なうえに、強度の問題や設置する高さを考えなければいけません。
そのため、安心できるフェンス工事を実現するためには、プロの意見を取り入れることも大切です。また、採光や風通しについても考えておかなければいけません。
これらを無視してDIYすると、仕上がりに満足できず、結局業者に依頼することになる可能性があります。これでは、費用を節約するためにDIYした意味がなくなってしまいます。仕上がりに後悔したくない方や、作業に自信がない方、DIYに慣れていない方は、なるべく業者への依頼を検討しましょう。
今回は、フェンス工事をホームセンターの資材でDIYできるかについて、詳しく確認してきました。フェンス工事は、ホームセンターの資材でDIYできます。
また、手順もそれほど複雑ではないので、外構工事の中では取り組みやすいDIYといえるでしょう。しかし、クオリティの高さと安全性を確保するためには、丁寧な作業が求められる点に注意が必要です。
フェンス工事をする際は、基本的に基礎石を埋める必要があります。このとき、大切になるのがそれぞれの基礎石を水平に設置することです。
また、基礎石に対して柱を垂直に立てなければいけません。これらの作業ができていないと、フェンスを設置しても数年で倒れてしまうことがあります。
費用を抑えるためにDIYで工事しても、数年で倒れるようでは意味がありません。安心・安全な環境を作るためにも、作業に慣れていない方や自信がない方は、外構業者への依頼を検討しましょう。
千葉で外構に関するお悩みがある方は、当社「ZOUS(ゾウズ)」までお気軽にご相談ください。
「Outside & Life Style 自分の庭を遊び尽くす!」をモットーに、海外のようなお庭で、外の目を気にせずプライベートが楽しめる空間デザインを得意としています。これまで数々のエクステリアを手掛けてきた知識と経験の豊富なスタッフが多数在籍しています。
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