外構部分は建物の外観とともに、“家の顔”とも言われ、その戸建ての印象を決める重要な要素です。
新築で一軒家を購入する場合は、エクステリアを含め自分や家族の好みで設計したりデザインが可能なため、これから先何十年、または一生を過ごすかもしれないお住まいをより素敵に演出しようと意気込まれる方も多いと思います。
ただ自由だからこそセンスが問われることもまた事実。どこに注目して、何に気をつけて外構をかたち作ればいいのだろう?と、ワクワクする反面失敗できない気持ちで不安な方もいらっしゃるかもしれません。
しかし正解がないからこそ、最初は欲張って想像してみてはいかがでしょうか。ライフスタイルに合わせて使いやすいように設計したり、植栽やガーデニングを楽しめるようにデザインしたりと、案を挙げる中でどんどんやりたいことが見えてくるでしょう。
今回は外構部、エクステリアをセンス良く素敵に演出するための様々なコツやポイントを紹介していきます。
目次
外構とは、門扉や門柱、塀やフェンス、アプローチ、庭まわり、ガレージや駐輪場、植栽、垣根など、建物まわりのさまざまな構造物のことを指します。
外構に関して調べていると必ず出てくるのが’エクステリア’という語句。こちらは似て非なるもので、’外構’が構造物そのもののことを指すのに対して、’エクステリア’は建物のまわりの装飾を指す言葉です。’エクステリア’の対義語が’インテリア’であることからもわかるように、装飾、デザインの意味合いが強いので、センスが良いクオリティ高めな外構を目指すには、エクステリアを用いることは必要不可欠と言えるでしょう。
さて、外構にはさまざまな役割があります。外構は公道などの外と、私有地、占有スペースの内を隔てる境界部にあたります。敷地の周囲に塀やフェンスを設けることで、外部からの視線遮るプライバシーの確保の観点や、侵入者を防ぐ効果もあります。
さらに、居住空間、人が出入りする場所、駐車スペース、くつろぎの庭ス空間など、それぞれの役割をしっかり振り分けることで、家まわりの使い勝手が格段に向上します。
外構を設けることは、家全体を素敵に見栄え良くするためだけのものではなく、大切なご家族が快適に生活するために必要なものなのです。
外構がお住まいを設計するときに重要視すべき部分だということがわかったところで、ここからは、愛着の湧く素敵な外構部分を作るために、外せないこだわるべきポイントを見ていきましょう。
外構は家の顔、ということは、公道を歩く人の目に必ず触れる箇所と言えます。センスのよい外構にするには誰からでも見える場所なんだという意識を持つことが大切でしょう。
外構と一口に言っても、リフォームに取り組める場所は数多あります。
最も目に入る、すぐに印象が決まってしまうポイントをご紹介します!
こだわるべき5つのポイントとは?
家の顔と言われる外構部分の中でも特に目立つ部分が門扉。顔中の顔と言えるでしょう。
ここをスタイリッシュにしておくことで家全体の印象が良くなりますのでこだわると良いでしょう。
◉門扉の種類
❶外開き
外側に開くタイプ。敷地が基本的に狭い日本に昔から普及するタイプで、門から玄関までのスペースが少ない場合に適しています。
開いたときに道路に門が飛び出さないように、敷地内で開くように設置場所を工夫するべきでしょう。
❷内開き
内に向けて開くタイプの門扉で、玄関まではある程度のスペースが必要となります。
ただ、中から勢いよくかけたときに人にぶつかる!なんて心配がないのは安心でしょう。
❸引き戸式
引き戸のようにスライドするタイプで、どちらにも扉が開くスペースが必要ないので、門の前後に余裕が必要ないの時に重宝します。
❹アコーディオン式
引き戸式と似ていますが、アコーディオンのようにパタパタと折りたたむような形で伸縮するのが特徴です。
◉門扉の材質
❶木目調
暖かみのある印象の材質で、自然を感じられるため人気が高い素材です。
ガーデニングがお好きなには、お庭とのコーディネートに最適でしょう。
❷鋳物
アンティークな雰囲気のおしゃれなデザインが特徴です。
明るめの壁とセットで用いることでメルヘンチックに演出も可能で、鳥の飾り物なども素敵に組み合わせられますね。
❸スチール
シンプルなデザインが多いため、カジュアルな雰囲気を醸し出し、どんなタイプの家にも似合うで
しょう。
家族で喧嘩になる心配もないですね。
門柱とは、表札・ポスト・インターホン・門灯などを組み込んだもので、機能の組み合わせ次第でオリジナルの門柱をつくることができます。
◉門柱の種類
❶造作門柱
ブロックやレンガを積み上げて造作したもので、一般的’門柱’とはこの造作門柱を指します。
自分でゼロから作り上げられるため楽しさ倍増です!
❷機能門柱
エクステリアメーカーのが多種多様な機能を組み合わせた豊富な種類を展開しており、2〜20万と、価格の幅も広いのが特徴です。
❶建物の外壁とコーディネート
お住まいを全体でコーディネートすると、より良い、ハイセンスな外観が完成します。
建物で使用したタイルや、似たような塗装・素材を使用することで、建物の外壁と同じイメージになり、全体に統一感がでます。
❷ 組み合わせ自由
機能門柱には様々な種類があるため、必要な機能が備わったものはあると思いますが、さらにデザインや素材をこだわるとなるとなかなかお目当てのものを見つけられないかもしれません。
造作門柱の場合はお好みの表札・ポスト・照明を自由に組み合わせて取り付けられるため、世界に一つだけの門柱を完成させることができるのです。
素材…レンガ・天然石・ステンレス・木目調
表札…ガラスタイプ・木調タイプ・ステンレスタイプ・アイアンタイプ
照明…スポットライト・ダウンライト・人感センサータイプ・LEDライト
ポスト…埋込タイプ・壁付けタイプ・宅配ボックス・大型ボックス
デザイン性と共に大切なのがカラー(色)でしょう。配色ひとつでデザインを何倍にも素敵に見せることもできれば、折角の良さを台無しにしてしまうことだってあります。
色についてのポイントをご紹介します。
❶ツートーン
おしゃれでモダンな外構にする上でキーワードになるのが、全てを2色で決める’ツートーン’カラー。
特に、ホワイトとブラック、など、はっきりと色合いの違う二つの色、さらにはモノトーンから選んで外構を構成すれば、最も簡単におしゃれでモダンな印象の外構を完成させることができますよ。
❷差し色
エクステリアも様々なアイテムがありますが、ポストや門扉、門柱などどれか一つに濃い色、ビビッドカラーを一つ差し込むと、全体が閉まったり、個性を出すことが可能です。
このようにある一色を印象的に用いる’差し色’を取り入れることで、おしゃれでモダンな雰囲気を醸し出すことができます。
素敵な門扉やこだわり抜いた門柱、そしてカラーをセンス良く配色しても、夜になるとせっかくのエクステリアが闇の中に消えてしまいます。
ここで一役担ってくれるのが照明の存在です。
ポイントとなるのは色だけではありません。「ルーバー」や「間接照明」もオシャレな印象を演出する上で大切です。
❶間接照明
アプローチに階段がある場合
階段下や塀に間接照明を配置して落ち着いた明かりにすることで、足元を優しく照らしてくれます。
オープンタイプの門の場合
表札、通路、植栽など照らしたいものに、単調にならないようにリズムよく照明を配置すると目を引く仕上がりになるでしょう。
❷センサーライト
無駄に照らし続け、エネルギーや電気代を消費することなく、必要な時だけ家族や来客を安全に家の中まで導いてくれます。
ここかな?と立ち止まった時ふっと温かな照明が素敵な玄関を照らすと、幻想的に玄関まわりが浮かびあがありますよ!
また、突如つくライトは犯罪抑止力となり防犯対策にもなるので一石二鳥でしょう。
1番目に入る門扉、門柱をこだわり抜き、そこに色という武器でモダンな雰囲気に仕上げたものを、素敵な間接照明で照らしたならばもう完璧!なのですがあと一歩です。
その素敵な扉を抜けた先にある玄関までのアプローチが素敵だったら尚のこと素敵だと思いませんか??
【モダン】
配色でもツートンやモノトーンを使ってモダンな仕上がりすることができるというのは先に述べた通りですが、アプローチの場合はタイルを使用することでそれが可能です。
外構用のタイルの種類は色や大きさが豊富できっと思うような素材が見つかるはずです。
雨の日も安心してお家までたどり着けるよう、濡れても滑りにくい加工が施してあるものがほとんどです。
また、アプローチをタイルで敷き詰めると壊れにくく、草抜きなどのメンテナンスが楽になるという利点もあります。
【ナチュラル】
建物の外観がの雰囲気に合わせることがアプローチを素敵に魅せるコツと言えます。
枕木やレンガなどを使用して道を作ると良いでしょう。木や自然を感じられる色味も相まって柔らかく暖かな印象の仕上がりになります。
レンガの色は種類が豊富なため、建物の外観に合わせて選ぶことができます。
枕木は、人工タイプもあり、シロアリや木材の腐食が気になる場合はメンテナンスが楽なコンクリート製のものを選ぶことができます。
【奥行きとカーブ】
玄関と門をつなぐ道となるアプローチは、奥行きを出すことでさらにおしゃれにすることができるとされています。そして狭い敷地でもその奥行きによって広く見せることも出来るのです。
アプローチから玄関が直視できる直線的な作りだと、玄関の中が丸見えになり、防犯面も弱いだけでなく、やはりデザイン性が乏しくなってしまいます。
アプローチに奥行を出すために、緩いカーブを描くように道を作り、少し傾斜をもたせるなどするとより立体感を演出できます。
カーブに沿うように植栽でアレンジし、少し視線を遮るようにするとなお良いでしょう。
センスの良い外構にするためには様々なポイントがあることがわかりました。
やはり誰の目にも触れやすいという観点からエクステリアを見てみると、こだわりたいポイント、取り組むべき箇所が見えてくるのではないでしょうか。
‘センスがいい家’とは、個々が立った上で全体のまとまり感を大切にしているお住まいとその敷地のことを指すのかもしれません。
門扉や門柱から、照明、アプローチまでを一体感のある色や材質でまとめてみましょう。
家が外構を、外構が家を素敵に見せてくれる、相乗効果の期待できる作りを目指して、さらに素敵なお住まいになる工夫を探してみませんか。