戸建て住宅の敷地を有効活用する方法として注目されている屋上テラス。特に庭をつくりにくい都心部で人気のある構造です。
屋上テラスにはバルコニーや庭のテラスとは異なる魅力やメリットがあります。
この記事では、戸建て住宅で屋上テラスをつくるメリット・デメリットや、つくる際の注意点など、屋上テラスの魅力について解説していきます。
屋上テラスを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
戸建て住宅の屋上テラスとは、屋上に設けられた屋外空間のことです。
テラスとは、一般的に建物の1階につくられる、庭よりも高くなった屋根のないスペースを指します。
一方、屋上テラスは戸建て住宅の屋上を庭のように活用するためのスペースで、階下の屋根を利用してつくるので、ルーフバルコニーと同じ構造です。
戸建て住宅に屋上テラスを設ければ、土地面積の関係で庭がつくれなくても、リラックススペースや子供の遊び場、ドッグラン、家庭菜園など、さまざまな用途に使えます。
戸建ての屋上テラスをつくったら、具体的にどのような楽しみ方、有効活用ができるでしょうか。
以下では、戸建て住宅に屋上テラスをつくるメリットを紹介します。
ロケーションの良い立地にある戸建て住宅であれば、屋上テラスから抜群の眺望がのぞめるでしょう。
住宅街であっても、周辺よりも高い位置になる屋上テラスはそれほど視界をさえぎられないため、開放的な眺望が楽しめます。
自宅に屋上テラスがあると、いつでもリラックスできる空間が確保できるでしょう。
戸建て住宅の屋上テラスは、開放的なアウトドアリビングとして活用できます。
一般的なバルコニーと違って、屋上テラスは十分な広さがあるため、家族や友人とゆったりとしたスペースでバーベキューを楽しめます。
他にも、テントを張って本格的なキャンプ気分を味わったり、アウトドア用のソファやテーブル、キャンドルなどを用意して、雰囲気の良い屋外ディナーを満喫したりできるでしょう。
戸建て住宅に設けられた屋上テラスは、洗濯物の物干し場としても有効です。広いスペースと日当たりがあるため、何枚もの大きな布団も一度に干せるメリットがあります。
また、屋上テラスは庭やバルコニーに比べてプライバシーを確保しやすいため、隣家や道路と面していても、比較的安心して洗濯物を干せます。
自宅の屋上テラスであっても、おしゃれなガーデンファーニチャーを設置すれば、戸建て住宅とは思えないほどのリゾート気分が味わえます。
ホテルのテラスにあるようなリクライニングチェアや間接照明などを設置して、ラグジュアリーな空間を演出するのも良いでしょう。
目隠しフェンスなどを活用して周辺の視界をさえぎると、広い空だけが見渡せる、くつろぎの空間が確保できます。
戸建て住宅の敷地面積が狭かったとしても、屋上テラスを設ければ、子どもの遊び場やドッグランスペースをつくることも可能です。
床材を人工芝などクッション性の高いものにすれば、小さな子どもでものびのびと遊べます。
人目もそれほど気にならないため、夏場のビニールプールも楽しめるでしょう。
広い庭をつくるのが難しい戸建て住宅でも、屋上テラスがあれば、家庭菜園やガーデニングに使えます。
屋上は日当たりや風通しが良く、害虫やネコの心配が少ないため、プランターで育てられるミニトマト、なす、きゅうり、ハーブなどの野菜がよく育ちます。花を咲かせるのに日差しが必要な植物も、比較的育てやすいでしょう。
ただし、屋上は季節の影響を受けやすいため、真夏や真冬の時期は注意が必要です。
戸建て住宅の屋上テラスは庭のテラスと異なり、不審者の心配が少ないといったメリットもあります。
戸建て住宅につくる広い庭は、死角ができやすいため、セキュリティ面で注意が必要です。
一方、屋上テラスの場合は隣家からの侵入経路に注意して設置すれば、ほとんど侵入される心配はありません。
戸建て住宅の屋上テラスの意外な使い道として、水害発生時の避難場所としての機能が挙げられます。
万一、1階まで浸水することが起きた場合でも、屋上テラスへの避難ができます。
周辺の自然環境に不安要素がある場合には、垂直避難ができる屋上テラスを設置しておくと安心でしょう。
ここでは、戸建て住宅に屋上テラスをつくるデメリットを紹介します。
戸建て住宅に屋上テラスをつくろうとすると、屋根の形状は陸屋根に限定されます。
陸屋根とは傾斜のない屋根のことで、スレートやガルバリウムなどの屋根材でおおわないタイプの屋根のため、雨水がたまりやすい特徴があります。
そのため、雨漏りのリスクを避けるために、排水溝の設置や通常の屋根以上に防水対策が重要です。
戸建て住宅に設置する屋上テラスには、落下防止対策が必須です。
小さな子どもやペットが乗り越えたりすり抜けたりできない高さ・形状の壁やフェンスを必ず設けるようにしましょう。
また、屋上テラスに置くガーデンファーニチャーやプランターなどが風で飛ばされないように固定するなど、強風対策にも気を配ることが大切です。
戸建て住宅に屋上テラスを設けると、通常よりも建築コストがかかります。
屋上テラスへ続く階段や部屋の設置、落下防止用の壁やフェンス、雨漏り対策などの費用がかかるためです。
また、耐久性のある構造も必要なため、構造躯体の設計も通常の屋根とは異なります。
屋上テラスを設置する陸屋根は、雨水を避ける屋根がなく外壁の負担も大きいため、一般的な戸建て住宅の中でもメンテナンスコストがかかります。
さらに、紫外線や風雨の影響を受けやすいため、劣化が早まる可能性もあります。放置すると雨漏りの原因となるため、こまめなメンテナンスが大切です。
戸建て住宅の屋上テラスは、雨漏りを防ぐために排水溝の掃除が欠かせません。家庭菜園やガーデニングなどで排水溝の利用頻度が高い場合は、詰まらせないよう注意が必要です。
また、ハトやカラスが多い地域では、鳥のフン掃除が大変な場合もあります。
陸屋根では、一般的な屋根にはない掃除の手間が必要となるでしょう。
周辺環境によっては、戸建て住宅よりも高い位置にある屋上テラスでも、プライバシーが守りにくいことがあります。
例えば、近くに高層マンションがあると、屋上全体が丸見えになる可能性も考えられます。
屋上テラスをつくる際には、周辺のマンションまでの距離や、今後マンションが建つ可能性も考慮して設計することが必要です。
戸建て住宅が多い住宅街の場合、屋上テラスで大人数のバーベキューをしたり、音楽を鳴らしたりすると、近隣に迷惑になることもあります。
煙や臭いは風の影響も受けるため、上方向にいくとは限りません。
また、話し声も大きくなると、近隣からクレームを受ける可能性があるため、注意しましょう。
木造で戸建て住宅をつくる場合、地域によっては雪の重さに耐えられる強度と構造が必要です。
屋上テラスは一般的な屋根に比べて建物の荷重が大きくなりやすい上に、雪が多い地域では雪がたまりやすいからです。
そのため、適切な設計や構造計算ができる施工会社を選びましょう。
ここでは、戸建て住宅の屋上テラスをつくる際の注意点を解説します。
戸建て住宅で屋上テラスを設ける際に、まずは屋上テラスの広さとアクセス方法を選択する必要があります。
以下のように、屋上テラスのタイプは4つあります。
屋上テラスのタイプ |
アクセス方法 |
条件 |
---|---|---|
屋上全面がテラス |
屋外階段 |
コストが高い。下階に階段スペースが必要。 |
屋上全面がテラス |
ペントハウス内階段 |
建築面積の1/8以下・高さ5m以下のペントハウスが必要。 |
屋根の一部が屋上テラス |
ペントハウス内階段 |
コストが安い。太陽光パネル設置可。 |
屋根の一部が屋上テラス |
隣接する部屋の窓 |
ルーフバルコニー。セカンドリビングとして使いやすい。 |
屋上テラスのタイプは、使用目的に必要な広さだけでなく、アクセスのしやすさや他の間取りとのバランスを考慮して検討しましょう。
戸建て住宅で屋上テラスを設置する場合、3階建ての屋上テラスや隣接する部屋からアクセスするルーフバルコニータイプをつくる際には、地域の法令をチェックしましょう。
なぜなら、木造3階建て住宅は用途地域や防火地域によって、容積率や建ぺい率に制限があるためです。
地域ごとに都市計画は異なるため、自治体のホームページや窓口で、住むエリアの建築条件などを確認しておきましょう。
戸建て住宅の屋上テラスは陸屋根になるため、雨漏り防止対策が重要です。
屋上に施せる防水工法は主にFRP防水工法と金属防水工法があります。
FRP防水工法は床面にFRPシートを敷き、樹脂塗料で硬化させる方法です。そして、テラスの隅に排水溝をつくるのが一般的です。耐久性や防水性が高いですが、ヒビが入る可能性があるため、定期的な塗布が必要でしょう。
金属防水工法は、ガルバリウム銅板を床面に埋め込んで排水路をつくり、排水溝につなげる方法です。耐久性や耐震性は高いですが、FRP防水工法に比べてコストがかかります。
家庭菜園や屋上緑化など、屋上テラスで水をよく使う場合は、排水がしやすい金属防水工法がおすすめです。
戸建て住宅に屋上テラスをつくるなら、おしゃれな雰囲気を演出したい方も多いでしょう。
ここでは、おしゃれな屋上テラスをつくるポイントを紹介します。
戸建て住宅の屋上テラスをおしゃれに演出するためには、床材にこだわりましょう。
一般的に使われる床材は、天然木、人工木、陶器タイル、人工芝、プラスチック、塩化ビニルなどがあります。
手入れが簡単なのは、人工芝タイルカーペットや人工木ウッドパネルです。子供やペットの遊び場として使う場合は、クッション性の高い人工芝がおすすめです。
天然木の床材は、経年変化が楽しめる素材で、ナチュラルでおしゃれな印象が魅力です。しかし、湿気に弱くカビやすいため、テラスに敷く前に防カビ用塗料を定期的に塗布するメンテナンスが必要です。
一方、タイルや人工木は手入れの必要がなく、温かみのある色を選べば、ナチュラルな雰囲気も演出できるでしょう。
戸建て住宅につくる屋上テラスをおしゃれに見せる演出として、さまざまな設備を整えると良いでしょう。
例えば、日除け対策として有効なオーニング・サンシェード・パラソルなどは、おしゃれなデザインも多く、後付けでも設置できます。
他にも、アウトドアソファやスカイバスを設置すると、高級ホテルのテラスのようなラグジュアリーな雰囲気を楽しめます。
戸建て住宅の屋上テラスで、バーベキューや家庭菜園をするならコンセントや水栓の設置を検討しましょう。
例えば、バーベキューコンロだけでなく電気コンロも使いたい、子供とビニールプールで遊びたい、テラスを高圧洗浄機でキレイにしたいときなどに、室内から調達する必要がなく便利です。
今回は、戸建て住宅で屋上テラスをつくるメリット・デメリットや、つくる際の注意点など、屋上テラスの魅力について解説してきました。
自宅に屋上テラスがあると、日常的に開放感を味わえる空間が手に入ります。家族だけが使えるプライベートスペースのため、人目や時間を気にせず、ゆったりと過ごせるのも魅力といえるでしょう。
しかし、屋上テラスは一般的な戸建て住宅の屋根の家に比べて、設置費用やメンテナンスが必要です。
後悔しないよう、使う目的や設備を十分検討して、納得のいく屋上テラスをつくりましょう。
屋上テラスをご検討される方はぜひ一度、当社「ZOUS(ゾウズ)」までお気軽にご相談ください。
「Outside & Life Style 自分の庭を遊び尽くす!」をモットーに、海外のようなお庭で、外の目を気にせずプライベートが楽しめる空間デザインを得意としています。これまで数々のエクステリアを手掛けてきた知識と経験の豊富なスタッフが多数在籍しています。
コストパフォーマンスと高品質を大切にし、厳選した良質な資材を直輸入。遠目で分かるオリジナルデザインと近目で分かる施工のこだわりで、あなたの理想のエクステリアを叶えます。