サウナは、ストレス解消や健康維持に効果的な方法として世界中で愛されています。近年は日本でも愛好者が増え、自宅にサウナを設置する人が増えてきました。自宅にサウナがあれば好きな時間に自分だけのリフレッシュタイムを過ごせますが、室内にサウナを設置する場所がないこともあるでしょう。
そのような場合、庭にサウナを設置してはいかがでしょうか。この記事では、庭にサウナを設置する方法、必要なコスト、メリットとデメリット、注意したい法規制まで詳しく解説していきます。憧れの庭サウナを実現する第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次
今回の記事では、低予算で気軽に始められるテントサウナと、本格的なサウナ小屋それぞれの設置方法をご紹介します。
テントサウナはネットショップやキャンプグッズ販売店で購入できます。少人数用は1畳程度の広さがあれば設置が可能です。組み立て時間も15分ほどと比較的簡単なので、とりあえず庭でサウナを試してみたいという方におすすめです。
テントサウナの設置手順は以下のとおりです。
平坦で水はけの良い場所を選びます。周囲の視線が気にならず、プライバシーが保てる場所が良いでしょう。また、薪ストーブを使用する場合は可燃物が近くにないことを確認してください。
使用人数や設置スペースに合ったサイズを選びましょう。持ち運びやすさや設営のしやすさも重要です。次にストーブの種類を選択します。薪ストーブと電気式ストーブがあり、火が使えない場所であれば電気式ストーブを選びます。テントとサウナがセットになったものであれば、準備の手間も省けて便利です。
説明書にしたがってテントサウナを組み立て、ストーブを安全な場所に設置すれば完了です。
薪ストーブを使用する場合は、火事や一酸化炭素中毒のリスクがあります。取扱説明書をよく読み、ストーブの吸気口や煙突が正常に機能していて、酸素供給が十分におこなわれていることを確認しましょう。また、一酸化炭素チェッカーの使用をおすすめします。危険な数値になるとアラームなどで知らせてくれるので、ぜひ取り付けておきましょう。また、消火器や水を入れたバケツなども用意しておくと安心です。
サウナを使用する前に予熱をします。ストーブを事前に稼働させてテント内の温度を適温にしておきます。使用する前後は十分な水分補給を心がけましょう。
テントサウナは設置が手軽で、必要がないときにはたたんで保管できるため非常に便利です。本格的なサウナを設置する前に試してみたい方におすすめです。
庭にサウナ小屋を設置する手順は、サウナの種類によって異なります。今回は一般的な設置方法をご紹介します。
庭のなかの平坦で安定している場所を探します。サウナへの出入りがしやすく、プライバシーが保たれる場所を選びましょう。また、火災のリスクを避けるため、可燃物から十分な距離を保つようにしてください。
使用する人数や庭のスペースに合わせてサイズを選びます。サウナ小屋には、バレルサウナ、ガーデンサウナなどさまざまな形状があります。
長期的に安定した設置を考慮すると、コンクリートの基礎がおすすめです。地面が安定している場合は木製フレームで基礎を作成することもできます。
多くのサウナ小屋はキットとして販売されており、必要な材料も揃っているため自分で組み立てることも可能です。しがし、正確に組み立てるためには専門知識や技術が必要なため、専門業者に依頼することをおすすめします。
家庭用のサウナ小屋に設置するストーブは、薪ストーブか電気式ストーブです。薪ストーブの場合、ストーブ自体は電気を使いません。しかし、室内の照明などで電源を使いますので電気工事が必要になります。
最後にベンチや照明などの内装を整えます。完成後は、木材の保護のために防腐剤を塗布するなど、定期的にメンテナンスをおこないましょう。
ここでは、庭に設置できるサウナ小屋で代表的なものを4種類ご紹介します。
画像引用:zous-exterior.com
バレルサウナは、その名のとおりバレル(樽)の形をした円筒形のデザインが特徴です。実用性と美観を兼ね備えており、多くの商業施設でも使われています。
円筒形のバレルサウナは部屋に角がなく全体の体積が少ないため、部屋が温まりやすいという特性があります。熱が循環して室温が均一になるため、予熱時間が短く、温度のムラも少ないというメリットがあります。
また、円筒の形状は雨や雪を効果的に流し、側面からの風もスムーズに逃がします。激しい天候によるダメージが少なく耐久性に優れた形状と言えるでしょう。
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アーチタイプはスタイリッシュな外観で庭を魅力的に演出します。また、風のダメージを受けにくく雨も効率的に流してくれるため、屋外に設置するサウナに適した形状です。こぢんまりとしたサイズで少人数向けのデザインなので、広さにゆとりがないお庭にもおすすめです。
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家族や友人とにぎやかにサウナを楽しみたい方、お庭に本格的なサウナを設置したい方にはスクエアタイプがおすすめ。室内が広く、ゆったりと過ごせます。
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前面がガラス張りでラグジュアリーな雰囲気を醸し出すガーデンサウナ。サウナから庭の景色を楽しめ、プライベートリゾートのような最高のリラクゼーション空間になります。ご希望に合わせてシャワールームなどのカスタマイズも可能です。
庭にサウナを設置するメリットには、以下のようなことが挙げられます。
庭にサウナを設置する場合、種類やデザイン、材質、サイズなどをより自由に選ぶことができます。室内に比べてスペースの制限が少なく、大きなサウナや自分好みのデザインを選ぶことも可能です。
屋内にサウナを設置すると、周辺の部屋や廊下の温度が上昇してしまうことがあります。特にフィンランド式のように水蒸気を多用する場合、湿気がもれて周囲が蒸し暑くなることもあります。
一方で庭に設置をする場合、発生した熱や湿気は自然に外に放出されるため、周囲の環境を心配する必要がありません。そのため、思う存分に高温のサウナやロウリュを楽しめます。
庭にプライベートサウナを持つことは不動産の魅力を高める要素になります。リラクゼーションや健康への投資として物件の販売時や賃貸時にプラスの評価を受けやすくなります。
庭にサウナを設置する際には、いくつかのデメリットも考慮しておく必要があります。
庭にサウナを設置するためには十分なスペースが必要です。また、安定した設置のために基礎工事が必要になることがあります。サウナ小屋など重いサウナを設置する場合は地盤沈下を防ぐための下地が重要です。設置する前に専門の工事業者に現地調査してもらうことをおすすめします。
長く使用できるサウナの購入にはそれなりの費用が必要です。そして、組み立てや設置には専門的な技術が必要なため、プロフェッショナルな施工業者に依頼することが大切です。
また、電気工事のほかにシャワーや水風呂をする場合は、給排水設備が必要になる場合もあります。
屋外に設置されるサウナ小屋は雨や風の影響を受けるため、適切な劣化対策とメンテナンスが必要です。一般的に木製の場合は、屋根や外壁を数年ごとに塗装することが推奨されています。
木材の種類や最初の塗装がメンテナンスの頻度に影響を与えるため、単に価格だけでなく、長期間使用することを考慮して製品を選ぶことが大切です。
庭にサウナを設置する際には、サウナ本体とストーブそれぞれに設置費用がかかります。
サウナの本体価格は、デザインや機能、使用する木材によって大きく異なります。たとえば、エストニア産のバレルサウナは100万円以下で販売されており、国産の木材を使用したバレルサウナは200万円を超えるものもめずらしくありません。
設置料金は小さなものでも30万円ほどかかり、サウナが大きくなるにつれて高額になります。
ストーブには電気式ストーブと薪ストーブがあり、住宅地などで煙を出せない場合は電気式を選択します。薪を準備する手間もなく、スイッチを入れるだけなので操作が簡単なことが魅力です。100Vと200Vのものがありますが、庭に設置するサウナ小屋を温めるためには200Vの熱量が必要になります。
電気式ストーブにかかる費用は以下のとおりです。燃料以外の維持費としては、ストーブの上に置くサウナストーンの洗浄と補充があります。年に1回程度洗浄して割れている石を交換します。
ストーブの本体価格 |
30~100万円(出力が高くなると高額に) |
電気変換・配線工事 |
15万円程度 |
電気代(1時間当たり) |
1~2人用(2.5kw)約80円 3~4人用(4.5kw)約150円 |
サウナストーンの補充(年1回程度) |
10kgで5,000~15,000円程度 |
薪ストーブの価格は、素材やデザイン、大きさによって変わってきます。薪ストーブの良さは、熱の放射が良くサウナ室をすばやく温めてくれること。また、焚き火の音や香りを楽しめるのも魅力のひとつです。
ストーブの本体価格 |
20~50万円(煙突代込み) |
設置費用 |
15万円程度 |
電気変換・配線工事 |
15万円程度(必要に応じて) |
薪代(1時間当たり) |
300~600円程度 |
煙突掃除 |
1~5万円(業者に依頼した場合) |
庭にサウナを設置する場合、いくつかの法規制に該当する可能性があります。
サウナ小屋の床面積が10㎡を超える場合、建築基準法に基づく建築確認申請が必要です。10㎡以下の場合でも、居宅が建ぺい率※1や容積率※2ギリギリまで建っていると、庭にサウナ小屋を建てることで建ぺい率や容積率がオーバーしてしまう恐れがあるので注意が必要です。
また、お住まいの地域が防火地域の場合は、耐火建築物の基準をクリアしたサウナ小屋でないと建てることができません。そのほかにも、自治体ごとに建築確認を受けなければならない地域や建物が決まっています。法規制は地域によってさまざまですので、設置前にお住まいの自治体に確認しておきましょう。
※1土地に対してどのくらいの規模の建物が建てられるか定めたもの
※2土地に建築できる建物の延床面積を定めたもの
DIYの上級者であれば不可能ではありません。しかし、DIYの初心者にとっては非常にハードルが高いといえるでしょう。サウナは火を使用するため、適切に換気を行わないと健康被害を引き起こす危険性があります。また、断熱が十分にできていないと、温度が上がらないといったトラブルが発生するかもしれません。
DIYのために資材や工具を揃えるだけでも数十万円は必要となり、工事期間も長期間かかります。耐久性や快適性を考慮すると、専門業者に依頼したほうが結果的に安く設置できるでしょう。
今回の記事では、庭にサウナを設置する方法や費用、メリット・デメリットについて解説してきました。庭に自分だけのサウナがあれば、自分好みの温度や香り、ロウリュなどを思い切り堪能することができます。庭にサウナを設置したいとお考えの方は、ぜひ、「ZOUS(ゾウズ)」までお気軽にご相談ください。広さやデザイン、内装、照明など、ご要望に合わせたカスタマイズでお客様だけのオリジナルサウナをご提供いたします。