お庭のリフォームや余っている敷地の活用、また増設をお考えの際、ウッドデッキとともに人気の高いのがテラスとなります。
素敵なテラスが作れたら嬉しいけれど、何から考えたらいいのだろう、どんなところを気をつければ失敗しないかしら?と思ってらっしゃる方も多いのでは無いでしょうか。漠然とした希望のイメージはあるのだけれど、うまく説明できない、具現化しようにもよくわからない!と言う方に、テラスについて、テラスを増設することで得られるメリットやおすすめの材質について解説して参ります!
目次
いざ、テラスを増設しよう!と思い立っても、検索してみると、ウッドデッキ?バルコニー?ベランダ?サンルーム?いろいろ出てきてよくわからない!と言う方もいらっしゃると思います。まずそれぞれの違いを認識していきましょう。
‘テラス’は元々大地、高台、盛り土を表す言葉で、そこから派生して現在”住宅の一階外部にあり、住宅の掃き出し窓や出入り口と連結していて、地面から一段高くなっている空間”のことを指すようになりました。
エクステリアについて詳しくみた記事でもご紹介した通り、建物内部のインテリアと対比して、’エクステリア’と呼ばれることもあるデザイン性も重要視されるテラスは、家全体との整合性を考慮して設計することが重要視されます。
バルコニーとも良く似ていますが、ベランダの語源はポルトガル語で、建物の外に張り出した部分を指します。
一階や二階など階数などは関係なく、柵で囲まれ、ひさしや軒下に収まり屋根のあるところに設置されているものです。
こちらはイタリア語で、マンション・アパートの”二階以上”に設置される、手すりのある屋根無しのスペースをバルコニーと呼びます。
一階だとテラス、二階だとバルコニーなので、設置場所が大きな差です。ただ、屋上テラスといったりする場合もあるため、明確な定義はありません。
一階でリフォームをする屋外スペースにテラスとともに名を馳せるのが、’サンルーム’です。
こちらは洗濯物干しなどに非常に便利な場所ですが、屋根と壁で囲って’室内’の一部となるため、家の床面積が増えてリビングルームが広がり快適になる反面、固定資産税が上がってしまいますので要検討です。
テラスリフォームに使う素材は、費用面、機能性から、木材やタイルが一般的です。
材質やデザイン次第でお庭の雰囲気だけでなく、お住まいの外観も大きく変わってきます。それぞれの特徴や雰囲気をご紹介します。
木材は、自然を感じることのできる木の温かみやナチュラルな雰囲気を出したいテラスにおすすめの素材です。平日オフィス外で働いている場合、帰宅後や休日、お住まいに安らぎの場所があるのは素晴らしいことです。
リフレッシュ効果はもちろんのこと、木材は熱電率が低いため、夏の暑い日差しでも熱くなりにくい事も利点でしょう。
一概に木材といってもさまざまな種類があり、テラスは屋外で風雨にさらされる点から、あまりに安価な木の種類だと朽ちやすくなってしまうので要注意です。
なかでも人工木材や、アイアンウッド(鉄の木)とも呼ばれる「ウリン」という天然の木材がよいでしょう。
【注意点】
❶湿気に注意
木は湿気に弱いため、水浴びのプールや植木鉢などを置く場合は配慮が必要です。湿気がたまってしまうと劣化が早めることになります。
❷ささくれに注意
木材のテラスの場合、自然を肌で身近に感じられるので安らげる反面、’ささくれ’が出ることがあります。お子さんやペットには特に危険なのでこまめにチェックするようにしましょう。
木材を使うとウッドデッキが完成しますが、テラス感をより濃く出したい場合はタイル素材が良いでしょう。
タイルも種類はさまざまですが、木との大きな違いは艶による高級感と、劣化の少ない耐久性です。メンテナンスはなるべく少なく寿命の長いものがいい!と思われる方にはぴったりの素材です。
少しおしゃれに、素焼きのテラコッタタイルはいかがでしょう。 ヨーロッパでは人気のタイルです。 雰囲気がよく、セラミックタイルにない温かみがあります。
吸水性が高いので、雨対策としてシーラー材やワックスを塗って仕上げます。
タイルの表面の艶は、’釉(うわぐすり)’と言う、光沢・汚れ対策・色落ち防止・摩擦劣化防止・耐水性向上などのために表面に塗られるガラス質の液体でコーティングされているので汚れを弾いてくれます。
したがって、お手入れはデッキブラシでこする程度のメンテナンスで問題ありません。
【注意点】
❶費用
タイルの種類によっては高額になる場合も出てきます。
質感は、鏡面やマット調などがあり、デザインは、シンプルな無地、花柄やエスニック調など豊富で、サイズは5~30センチと様々ですので、予算と相談して組み合わせましょう。
❷滑りやすい
タイルテラスの表面が濡れていると、木材の場合より滑りやすくなります。滑りにくい外履きにするなど、工夫を凝らしましょう。
❸外気に左右されやすい
蓄熱効果があるため、気温が高い季節は非常に熱くなり、周りの温度を上昇させ、冬は冷たくなります。
照り返しにも注意が必要です。
木材か、タイルか、エクステリアとしてもお住まいと一体感を持たせたいテラスのイメージはつきましたでしょうか。
それではここで、テラス設置のポイントを様々な角度から見ていきましょう。
テラスは開放的なことや、足を汚さず、履物を変えずに外を味わえることが最大の良さと言えるでしょう。
しかし、用途によって、また快適さを広げる面において、囲いを設置すると言う方法もあります。
四方を覆ってしまったらサンルームになってしまうのでは?と言う声が聞こえてきそうですが、サンルームほど機密性は高くないので豪雨の際は雨水の侵入も心配されますが、サンルームよりは予算を抑えることができ、後付けも可能。
施工日数も短く、最短で1日程度でも取り付けることができます。
囲ってしまうとテラスの良さがなくなるわ!とお思いの方には、屋根の設置がおすすめです。テラスを洗濯物干し場として使うことができますし、そこに落ちてくる鳥のフンや雨を防ぐことができます。
【テラス屋根の素材】
・ポリカーボネート
紫外線や熱をカットしてくれるプラスチック製の屋根で、激しい雨や風をしっかり防げます。
・シェード
網戸のような素材で日を木漏れ日程度までカットしてくれます。完全な遮断ではないので、程よい光を浴びれますね。
・オーニング
簡単な日や雨を防いでくれ、カフェのような雰囲気で、電動や手動で折りたたむことができます。
【テラス屋根の形】
・フラットタイプ
モダンやスタイリッシュな外観の家に合う、まっすぐな屋根。
・アールタイプ
ナチュラルテイストや柔らかい外観の家に合い、積雪量の多い地域なら雪が積もるのを防ぐこと ができ、雨も入りにくい屋根。
・波板タイプ
比較的安価ですがゴミが溜まりやすいです。
テラスは、囲いや屋根をつけた場合は特に室内と屋外を繋ぐスペースと言えるでしょう。
石やコンクリートブロックを敷いて庭より一段高くする方法が一般的ですが、リビングの床との段差をなくすことでお住まいとの一体感が生まれます。
また、インテリアのデザインや材質を合わせることで、よりまとまりが生まれるでしょう。
テラスは木材か、タイルか、また色によっても雰囲気が大きく変わります。
デザインにお悩みの場合は、家の外観に合わせるとよいでしょう。モダンなのか、欧風なのか、スタイリッシュなのか、はたまた差し色的にアクセントをつけたいのか。様々なパターンが考えられますね。
お住まいにテラスがあるだけで見栄えも良く、ステータスの高い雰囲気を醸し出すことができますが、テラスはアイディア次第で様々な活用方法があり、また屋内では無いためのメリットも多数存在します。
テラスはリビングルームの延長上として、屋外ではありますが一階のスペースの拡充なので、家族の憩いの場が広がります。
テーブルセットを置けば、風にあたりながら読書をしたり、優雅なティータイムを過ごすことも可能です。
はたまた今では肩身の狭くなってしまった喫煙者の方や、来客でもタバコを吸われるお客様にとっては非常に助かる場所と言えますね。室内では味わえない開放感がありますので、庭や敷地に余裕がある場合はおすすめのエクステリアでしょう。
また、室内に直射日光が入りすぎる向きに立っているお住まいの場合、日差しをカットできるような屋根付きのテラスを増設することで室内の温度上昇を防ぐこともできるのです。
一階に屋外スペースが増えると言うことは、明るい光が差し込む空間が広がると言うことです。
テラスにはさまざまな活用法がありますが、お子さんのプレイルームには最適でしょう。コロナウイルス感染拡大の中で、屋外でありながら敷地内で安全に遊べる場所は必要不可欠です。保護者の方にとっては目が届くだけでなく、ウイルスの心配もないため、安心して見守ることができるできるでしょう。
ペットを飼ってらっしゃるお宅の場合、わんちゃん、猫ちゃんが日向ぼっこをしたり、また、毛のカットや体洗い場としても使うことができます。
囲いをつけ、材質や高さをしっかりと考えてのリフォームであれば、愛するペットが逃げ出す心配もありません。
なかなか外出に制限のある今のご時世、テラスがあることで、お家に居ながらにしてちょっとしたアウトドア体験を味わうことができるでしょう。
バーベキューをしたりちょっとしたパーティーを企画したり、十分に換気ができるため、部屋に匂いがこもる心配もありません。ただその際は、ご近隣の方々への配慮もお忘れなく。
テラスは木材やタイルを敷き詰めて作るのが一般的です。土の上と違い泥汚れの心配が少なく、囲いの有無や仕様にもよりますが、清潔に保ちやすいのがメリットでしょう。
テーブルセットを置いた際に土が付くこともありませんし、干している洗濯物が落ちても、洗い直す必要はありません。またお子様やペットの手足が汚れることなく、充実の時間を過ごすことができるでしょう。
似たものにサンルームがありますが、サンルームは四方を囲まれたより頑丈な作りでまるで室内の延長であるため、施工費用も高く、固定資産税も膨らんでしまいます。
一方でテラスはサンルームより手軽に増設することができるのです。
テラスのメリットを見てみると、生活の幅が様々に広がり、新たな安らぎの空間が手に入るかも!と感じられた方も多いことでしょう。
せっかく癒しの場拡大のために費用をかけて増設するわけですから、メンテナンスに手間や更なるコストがかかることは避けたいですよね。なるべく用途にあった長持ちする素材や作りを考え、そこに家の外観との統一感を加味することで、理想のテラスが手に入ることでしょう。
次回以降で、テラスの費用についても注目してみていきたいと思います。