ベランダやバルコニーに屋根を後付けすると、洗濯物を雨から守ったり、室内に入る日差しを和らげたりすることができます。しかし、どんなタイプの屋根を後付けしたらよいか、後付けにかかる費用はどれくらいなのかと、心配な人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ベランダやバルコニーに後付けする屋根について、種類や費用、後付けするメリットや設置時の注意点について、詳しく説明していきます。
目次
初めに、「ベランダ」と「バルコニー」の違いについて解説します。
2階以上の階にある屋外スペースをベランダやバルコニーといいますが、この2つは「屋根の有無」や「使われ方」に違いがあります。
もともと屋根があるものがベランダで、屋根がないものがバルコニーです。
ベランダは主に洗濯物を干すための場所として使われ、それほど広くありませんが、バルコニーはベランダより広く、くつろぎのための場所としても使われます。
ただし、ベランダとバルコニーの定義はあいまいで、屋根がなくてもベランダとして認識されることも多いです。
そのため、この記事ではバルコニーもベランダも、屋根のない屋外スペースとしてベランダとしてまとめて扱い、屋根を後付けする方法について紹介します。
ベランダに後付けする屋根の費用相場は、屋根の種類によって少しずつ異なります。ベランダに後付けする屋根は、主に3つのタイプがあります。
ここでは、それぞれの特徴や費用相場について、詳しく紹介します。
出典:リクシル公式HP https://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/speene/
アール型のベランダ屋根は、屋根の先端がアルファベットのRのように丸みを帯びたタイプです。優しく柔らかい印象のデザインで、どんな外観の住宅にも似合います。曲線部分があるおかげで、雨が吹き込みにくい効果も期待できます。
アール型のベランダ屋根の後付けにかかる費用は、本体と後付け設置工事費用を合わせて9万円〜14万円程度です。
出典:リクシル公式HP https://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/speene/
フラット型のベランダ屋根は、屋根が1枚の板のように平らな形状になっているタイプです。シャープでモダンなデザインなので、シンプルな外観の住宅によく調和します。屋根先が下がっていないので雨の吹き込みには弱いものの、開放感があり、ベランダが広く感じられるのが特徴です。
フラット型のベランダ屋根の後付けにかかる費用は、本体と後付け設置工事費用を合わせて9万円〜13万円程度です。
出典:エクスショップ公式HP https://www.ex-shop.net/index.php?action=public_item_br_estimate_input&item_id=7766
ルーフ型のベランダ屋根は、屋根を支える柱がなく、外壁に直接取り付けるタイプです。柱のスペースが不要なので、コンパクトなベランダにも設置しやすく、ベランダを広く使えるメリットがあります。屋根の形は、アール型とフラット型の両方から選べます。
ルーフ型のベランダ屋根の後付けにかかる費用は、本体と後付け設置工事費用を合わせて11万円〜17万円程度です。
ベランダに屋根を後付けすると、多くのメリットが得られます。
ここでは、代表的な3つのメリットについて、詳しく確認していきましょう。
ベランダに干す洗濯物が雨に濡れにくくなることが、屋根を後付けする最も大きなメリットです。
ベランダ屋根があれば、よほどの大雨でない限り、洗濯物が濡れることはありません。外出先で雨が降っても急いで帰る必要がなく、午後から曇りの日でも洗濯物を干したまま出かけられます。洗濯物を干すのに天気を気にしなくていいので、家事の効率もよくなります。
また、洗濯物が雨に濡れにくいだけでなく、ベランダに置いたままの物干し竿や洗濯バサミも濡れにくくなります。そのため、洗濯物を干すたびに物干し竿を拭く手間もなくなります。
ベランダ屋根の素材は、透明なポリカーボネート材が主流です。ほとんどのメーカーで明るい太陽の光は通しつつ、日差しの熱や紫外線は効果的にカットする機能を備えているので、室内が暗くなることはなく、効果的に暑さを和らげてくれます。
そのため、ベランダ屋根を後付けすることで、窓際のフローリングが日焼けしにくくなったり、夏の冷房効率がアップしたりなど、嬉しいメリットが体感できます。
ベランダの床には、雨水から建物を守る防水塗装が施工してあります。この防水塗装や水の侵入を防ぐコーキングは、紫外線で傷みやすいため、塗り直しなど定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスが不十分だと、下の階に雨漏りしてしまう心配もあります。
しかし、ベランダ屋根を後付けすれば、直接雨水がかかることが減り、紫外線もカットできるため、ベランダの防水塗装が長持ちします。メンテナンスの負担を軽減でき、ベランダを長くきれいに保てるでしょう。
ベランダに屋根を後付けする際は、いくつか注意点もあります。注意点を知っていれば、設置前から対策を検討し、納得して購入できます。
ここでは、ベランダに屋根を後付けして後悔しないためのポイントを、4つ確認していきましょう。
ベランダが北向きの位置にある場合は、屋根を後付けすることはおすすめしません。
北側はそもそも日当たりが悪く、洗濯物が乾きにくい場所です。ベランダに屋根をつけると、さらに日当たりが悪くなり、乾きにくくなる心配があります。
また、北側の場合は、ベランダ屋根の後付けで室内環境にも影響が出ます。室内が暗くなったり、寒くなったりして、春や秋など本来は暖房が不要な季節でも、エアコンを使用しなければ肌寒く感じられる可能性があります。
ベランダ屋根の後付けで「屋根に当たる雨音が気になる」という方も、一定数いるようです。通常の雨ならそれほど大きな音はしませんが、台風や豪雨の時には大きな音が出ることもあります。
しかし、気密性のよい最近の家なら、それほど外の音が気になることもありません。どうしても気になりそうな場合は、窓の内側にもう1つ窓を入れる「二重窓」を設置したり、寝室に面したベランダを避けてベランダ屋根を後付けしたりしましょう。
ベランダ屋根を後付けする場合は通常、外壁に穴をあけビスを打って屋根を固定します。ビス穴には防水のためにコーキングするので、壁の中に雨水が入る心配はほとんどありません。しかし、住宅に設定されている保証制度の条件によっては、外壁に穴を開けると保証が切れてしまう可能性があります。
建物の保証期間は10年から30年と長いため、何かトラブルがあったときに保証が切れていることがわかると、後悔してしまいます。ベランダ屋根の後付けで保証に影響がないか、事前にハウスメーカーや外構業者によく確認しておきましょう。
もし、保証に影響がありそうな場合は、外壁に穴をあけずに後付けできる商品も検討するとよいでしょう。
ベランダ屋根を正しく設置するには、強風対策や防水加工など適切な施工工事が必要です。長く安全に使うためには、信頼できる外構業者にベランダ屋根の後付け工事を依頼しましょう。
ベランダに後付けする屋根は、ホームセンターなどでも購入できますが、どのタイプを購入したらよいのか、自宅のベランダに設置できるのかなど、判断しにくいことも出てきます。そんな時、信頼できる設置業者に相談すれば、屋根の種類や使い勝手の違いなどについてアドバイスが得られます。また、設置後の不具合や定期的なメンテナンスも相談できるので、安心して取り付けできるでしょう。
ベランダに後付けできる屋根には、さまざまな商品があります。その中から、おしゃれで住宅の外観にもなじむ、おすすめのベランダ屋根を3つ厳選してご紹介します。
出典:リクシル 公式HP https://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/speene/case/
リクシルが展開する「スピーネ」は、シンプルなデザインが特徴のベランダ屋根です。屋根のタイプはフラット型とアール型から選択でき、カラーは6色のバリエーションが用意されているため、外観や好みに合うものをチョイスできます。
便利なオプションパーツも充実しています。特に、目隠しスクリーンは、雨や雪が入り込むのを防ぐだけでなく、外部からの視線も遮ってくれる便利なパーツです。
1階のテラスに設置するタイプなら、定価171,100円(税込)の価格帯から購入できます。
出典:YKKAP公式サイトhttps://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/solarea
YKKAPの「ソラリア」シリーズでは、さまざまな形状のベランダ屋根が展開されています。ベランダに後付けするタイプ、外壁に設置するルーフ型、屋根の下を囲む壁もついたタイプなど、設置したい場所や目的に合わせて選べます。
カラーは、ホワイト、ブラウン、ブラックなど5色展開です。
風速42m/秒まで耐えられる設計で、風の強い地域でも安心して使えます。また、風が強く吹いても屋根材のバタつきを抑える構造によって、あまり音が発生しない配慮がなされています。
出典:三協アルミ公式HP https://alumi.st-grp.co.jp/products/deck/terrace/revolu_az/plan.html
「レボリュー」は、三協アルミの展開するベランダ屋根です。屋根の奥行きが20尺と深いタイプや、中間柱なしで幅3間まで展開できる間口の広いタイプなど、豊富なサイズ展開に加え、確かな施工性が特徴の商品です。
屋根のタイプは、アール型とフラット型から選択できますが、アール型でも視界を遮らないよう角度の浅いデザインにするなど、デメリットを感じさせないデザインも魅力です。
ここまで読んで、ベランダに後付けする屋根には、メリットだけでなくデメリットもあるため、ベランダ屋根を設置するかどうか迷う方もいるでしょう。
ここでは、ベランダ屋根の代わりに導入できるものもご紹介します。用途やイメージに合わせて、適切なものを導入しましょう。
日差しが強いときや洗濯物を干すときなど、一時的に屋根が欲しいケースで役立つのが「オーニング」です。
「オーニング」は、布製の簡易的なひさしです。外壁に取り付けた骨組みに布製のひさしを張り、折りたたみ式のテントのように使います。普段はひさしをたたんでおくので邪魔にならず、使う時には日差しに合わせてオーニングの角度や長さを調整できます。
また、オーニングは防水性能も備えているので、ベランダに干した洗濯物を雨から守るためにも役立ちます。
オーニングの骨組みを外壁に固定する工事には費用がかかりますが、頑丈な骨組みで支えられているため耐久性も備えており、長く安心して利用できるアイテムです。
夏場の簡易的な日よけに適しているのが「シェード」です。シェードは、外壁に取り付けたフックにひっかけて広げ、ベランダやテラスの床に紐で固定します。薄くて風を通す素材でできているため、ベランダからの強い日差しを効果的にさえぎってくれます。
シェードにはオーニングのように雨よけの効果はありませんが、費用を抑えて手軽に設置できるのがメリットです。本格的な骨組みや施工が要らず、誰でも後付けできます。また、薄い生地は紫外線で劣化しやすい難点がありますが、サイズや色のバリエーションが豊富で価格が安いため、傷んでも気軽に取り替えられます。
ベランダに後付けする屋根だけでは、雨に濡れたり鳥のフンで汚れたりすることもあります。このようなデメリットを解消したい場合は「サンルーム」の設置がおすすめです。
サンルームは、ベランダ屋根の下にガラスの壁を設置し、ベランダを簡易的な室内のようにできる設備です。強い雨が降っても洗濯物が濡れず、鳥のフンや花粉の汚れも気になりません。
また、一つの部屋のように使えるので、洗濯物を干していない時は、ゆっくりお茶を飲んだり、子供を遊ばせたりすることもできます。
ベランダ屋根は、洗濯物を雨から守り、室内に日差しが入りすぎないように調整する役割も期待できる、便利な外構アイテムです。後付けする場合は、ベランダの方位やベランダ屋根のタイプを適切に選び、ベストなものを設置しましょう。
ベランダ屋根を後付けする工事は、信頼できる外構業者に依頼すると、メンテナンスも含めて安心して利用できます。
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「Outside & Life Style 自分の庭を遊び尽くす!」をモットーに、海外のようなお庭で、外の目を気にせずプライベートが楽しめる空間デザインを得意としています。これまで数々のエクステリアを手掛けてきた知識と経験の豊富なスタッフが多数在籍しています。
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