お住まいの第一印象として、誰の目からも触れる玄関アプローチ。
門扉のデザイン、植栽の配置、小道の角度や敷き詰めるタイルの種類などいろいろな要素の組み合わせ次第で、理想の空間に仕上げることができます。
門から玄関の扉までをつなぐ「道」がこだわりの場所だと、朝会社へ向かう時も、お仕事から疲れて帰ってきた時も、気分が上がるのではないでしょうか。
道ゆく人からも、訪ねて来られる方にも’おしゃれな家”きちんとした家’だなという良いイメージを持ってもらえるように、おしゃれな外観づくりにこだわってみませんか?
目次
玄関アプローチは、家族が毎日使うことはもちろん、家を訪れる人のその家に対する第一印象が決まる重要な場所です。
歩いてて素敵な気持ちになれるおしゃれな作りであることは言わずもがな、安全でかつメンテナンスしやすい素材であればいうことないですよね。
それでは、玄関アプローチに使用するさまざまな素材を見ていきましょう。
タイルは土を原料としており、グレーやベージュなど、汎用性の高いカラーが主流となっています。
組み合わせが変幻自在なことから利用しやすい正方形や長方形の物が多いですが、雨に濡れると滑りやすくなる物もあるため、選び方に注意が必要です。
【磁器タイル】
・耐凍害性
… 水分が凍結し、その際に生ずる水圧により壊れる現象から耐える性質
・耐摩耗性
… 引っかき、粘着などにより面が減る現象から耐える性質
・耐候性
… 変形、変色、劣化などの変質を起こしにくい性質
に優れており、玄関や歩行者の多い公共の床タイルなどに使われています。
【テラコッタタイル】
土を成型し、乾燥させた後に焼いた素焼きタイル。
焼の温度や天候湿度、使用による色の変化や汚れの付着具合画風愛を出すことも特徴の一つです。
ただ、吸水率が高く汚れやすいので、施工するときは、汚れを防ぐシーラーなどの処理もある程度必要になります。
【人工大理石】
アクリル・ポリエステル樹脂を主成分とした人工素材。
大理石より価格は安く、代替品としてキッチン天板、最近ではシンク、洗面台、浴槽などにも多く使用されています。
加工性や着色性に優れ、コストパフォーマンスが優秀で、人工的に作られているため均一に仕上り、透明感もあります。
しかし、天然大理石と比較すると柔らかく、キズが付きやすく熱に弱いのがデメリットです。
主成分がアクリルやポリエステルなどの樹脂なため、天然大理石の様な高級感や風合いはありません。
形や大きさが均一で使いやすいため人気が高い素材です。
赤みがかった茶系の物が多く、温かみのある質感が魅力で、並べ方次第では少しアレンジして個性を出すことも可能です。
本物ではなく、レンガ風に加工された素材を選択するとコストも抑えられます。レンガを使用するだけで洋風の仕上がりにも期待できますね。
【日干しレンガ】
アドベ粘土から作られる天日干しで乾かして作るレンガです。石や木材などの建材が手に入らない地域でよく使用されました。
【焼成レンガ】
ローマの時代に建築材として普及したレンガです。
20世紀に焼成の設備が効率化したことで、建材として一般に普及し始めたのがきっかけで使われるようになりました。
さらに細かく’普通レンガ’と’特殊レンガ’に分類されます。
幅広く用いられる玄関アプローチにも一般的な敷石は、御影石や石英岩などが最も使用頻度が高いです。
特に御影石は、和風の建築にもよく合う上品な質感を持っています。敷石には四角く切り込んだ物、素材の形を生かした乱形の物があります。
乱形のタイプは等間隔に並べることが難しいため、隙間に小石、芝などを敷いてみてはいかがでしょうか。
デザイン性もグッと高まり、雑草が生えるのを防ぐ効果も発揮します。
【角形】
敷石の中で最もポピュラーでスタンダードなのが、長方形・正方形の形をした平板。
メリットはなんといっても敷き詰めるのが楽である点。
整然と並べるのにおすすめで、豊富。色味によって大きく印象を変えることもできます。
植物好きな方は明るめな色で暖かみを演出し、スタイリッシュに仕上げたい方はダークな色味を使うと引き締まります。他の植物やガーデンツールとの相性も考えながら、選ぶようにしましょう。
【ステッピングストーン】
遊び心で足元のステップ代わりに、庭の足元アクセントに大活躍するステッピングストーン。
定番の丸型のほか、ハート型・クローバー型・楕円型や、ビスケットをイメージした個性溢れるさまざまな形があります。
角形と違い、ランダムに用いる方がその特徴や良さが発揮され、少し捻りのあるアプローチが完成します。
【御影石】
和風の庭には御影石がもってこいです。色味が豊富で、庭の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
石の切り方によっても見え方が変わるため、加工方法も必ずチェックしておきましょう。
【乱形石】
洋風の庭に適しているのは乱形。形や色がランダムで天然石を割ったままの形で加工したものです。
自然明るめな色は洋風にマッチしますが、ダークな色味のものは、和風の庭にも使うことが可能で、用途が広いのがいいですね。
形が1枚ずつ異なるので、場合によっては敷いたときに隙間ができることもあります。DIYがお好きな方はチャレンジしたくなると思いますが、施工例を参考にしてしっかり準備しましょう。
エクステリアの素材として人気ですが、枕木に馴染みがあるのは、線路に使われている光景ではないでしょうか。
敷石と組み合わせて通路に埋め込んだり、縦に並べて簡単な目隠し代わりに使ったりと、工夫次第でいろいろな使い方ができます。
本物重さや経年劣化が気になる方は、軽量コンクリート製の擬似枕木を用いると良いでしょう。
和風のアプローチにしたい場合、枕木を採用すると効果的です。
【天然木の枕木】
・中古枕木
本来「枕木」とは鉄道の枕木の廃材を利用したもの。
当時は安価に入手できた「中古の枕木」ですが、時代の流れにより国産の枕木は廃れ、入手は困難になりました。
輸入品の場合、クレオソート不使用のものを選びましょう。
・天然木の枕木
エクステリア専用の新品の木製の枕木です。
新アンティーク感を出すためにエイジング加工をしたものもあります。
国産天然木に耐久耐候性を出したものなら比較的リーズナブルですが、耐久性に劣ります。
防腐剤不使用のウリン材などハードウッドのものなら30年以上の耐久性がありますが、メンテナンスが必要な素材です。
【人工木の枕木】
・コンクリート枕木
コンクリートで作られた枕木は、カラーバリエーションも豊富、ずっしりとした質感でアンティークを再現したものもあります。
コンクリートなので防虫、防蟻、防腐に優れています。
見た目も木に似せているので、違和感なく使えます。表面の塗装が剥がれるとコンクリートと分かってしまうので注意しましょう。
・FRP樹脂枕木
FRP樹脂とは繊維強化プラスチックのこと。木粉をプラスすれば、かなり本物の木材に近くなり、人工のウッドデッキ素材にもよく使われています。
腐らず、白アリの心配もないので、耐久性も30年ほどと長持ちします。
比較的軽量で、施工しやすいですが、耐荷重に弱いので注意しましょう。
・アルミ角柱枕木
木目調アルミ角柱などと呼ばれ、一般的な枕木よりスリムなものもあります。
フェンスなどと同シリーズで揃えられるので、玄関アプローチに一体感を持たせるにはうってつけです。
ただ、本物の枕木とは印象が違うため、ナチュラルさにはかけるでしょう。
タイル舗装とインターロッキングブロック舗装はよく似ていますが、タイルよりイターロッキングの方が分厚く頑丈で、汎用性、耐圧強度、耐震性に優れています。
タイルは粘土を平らな板状にして作った焼き物で、建物や床を覆う外構の材料として厚みは1~2cm前後です。
インターロッキングブロックは最も薄いものでも厚みは6cmという規格になっており、沢山の人が歩くことを想定して頑丈になっています。
タイルは、耐水性に優れ、種類が豊富なので、薄くても玄関などには問題ない素材ですが、もしより頑丈なものを好まれる場合は、ぜひご
検討ください。
【遮熱性ブロック】
遮熱性のインターロッキングブロックは太陽光を反射し、蓄熱しにくいので、夜間の放射熱を軽減します。
【リサイクルブロック】
工場で発生する電気炉スラグ骨材をコンクリートに再利用したり、廃棄物のガラスを主原料としています。
環境に優しいリサイクル商品なので、環境問題が叫ばれる近年は是非ご活用いただきたい素材です。
【透水ブロック】
雨水を地下に浸透させたり、側溝に促す施工に使われたりするブロックです。
水捌けが良いため水たまりができにくく、お子様の跳ね返りにも安心です。
【保水性ブロック】
雨天時にブロックが吸水して保水し、晴天時に水蒸気として放出させることのできる、機能的なブロック。
したがって路面温度を下げ、都心で起こりがちなヒートアイラインド現象を低減させる効果があります。
【植生用ブロック】
近年注目されているテトラポットのような面白い形の環境配慮型ブロックです。
環境芝などの緑と併せて用いられ、自治体の緑化制度にも対応しており、保水性ブロック同様ヒートアイランド現象を緩和させる効果が期待されます。
玄関アプローチに使用すると、助成金の対象になる場合がありますので、確認してみてください!
お好きな形にカットできるため、狭い場所、細い場所、また変形した特殊な形にも対応できる人工芝。
敷き詰めることで簡単に芝生を植えたような状態に仕上がるのが特徴です。
また、天然の芝生のように伸びることがないため、自然を感じられる一方メンテナンスの手間がかからないのは嬉しいですね。
玄関アプローチに適した砂利は、形がきれいで石の種類も選べる「化粧砂利」と呼ばれるタイプの物です。敷き詰めるだけで雑草が生えにくくなるという利点を持っているため、メンテナンスが簡単です。
砂利の下に防草シートを敷いてさらに効果を高めておくと良いでしょう。
また、大きめの砂利は歩くと音が鳴るため、防犯対策として使用する家庭も増えています。
【白玉砂利】
角のない丸みのある砂利で、上品な色合いはどんなお庭にもマッチします。
雨に濡れた時の色合いの変化も楽しめる他、角がないので小さな子供にも安心安全です。
【赤玉砂利】
木材やレンガとの相性が非常に良い、エンジを帯びた赤玉砂利。
濡れると深い色合いに変わることで、お庭を和風にも洋風にも演出してくれます。
【五色砂利】
ワンポイント使用も可能な、さまざまな色合いが混在している砂利で、庭や玄関アプローチに素敵なアクセントを与えてくれます。
【那智黒石砂利】
黒く輝く表面を持つ美しい石で、和風家屋にぴったりです。
土間コンクリートの洗い出し仕上げなどにも使用され、落ち着いた風合いを与えてくれます。
【ピンク玉砂利】
可愛らしいピンク色の玉砂利でマーブル状に色が入っており、微妙な色合いが楽しめます。
濡れると赤みが際立ち、変化に富んでいます。石が擦れて音が鳴るので防犯対策にもおすすめです。
【瓦砂利】
屋根瓦を砕いたものをリサイクルするので、とてもエコな素材です。
比較的安価なので、環境にもお財布にも優しい素材と言えるでしょう。色合いもさまざまあるので建物に合わせた演出が可能、土を焼いたものなので保水保湿にも優れ、防犯対策にも適しています。
【青砕石砂利】
美しい青みがかったグリーンの石で濡れると深い色合いに変わり、シックな印象を与えてくれます。
和洋どちらにも馴染んでくれるのでありがたいですね。
緑の溢れるご家庭、お庭、玄関は、いつの時代も人気や憧れが高いもの。玄関アプローチをより自然に、温かく見せるために欠かせない植物の存在。
石やコンクリートなどが持つ無機質な感じを緩和し、家族だけでなく、家の前を通る人にも癒しや安らぎを与えてくれるはずです。
玄関アプローチは、道行く人に家の雰囲気を印象付ける重要なものです。
デザイン性にこだわりたいのはもちろん、それだけでなく機能性や防犯性などもしっかり兼ね備えたいですよね。
今回ご紹介したさまざまな素材を組み合わせて玄関アプローチをお作りになってみてはいかがでしょうか?