プール付きの家といえば、欧米の豪邸をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、日本であってもリゾート気分が味わえるプール付きの家に住んでみたい!と憧れる方もいらっしゃるでしょう。日本でプール付きの家はまだまだ一般的ではないため、どんなメリットやデメリットがあるのか具体的にイメージしづらく、実際にプールを建設することに尻込みしてしまうこともあるでしょう。
今回の記事では、プール付きの家に住むメリット・デメリット、用途に合わせた設置場所や工事費用、維持費などについて詳しく解説していきます。自宅にプールを設置しておうち時間を充実させたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
はじめに、プール付きの家に住むメリットを4つご紹介します。
プール付きの家のいちばんの魅力は、自宅にいながら高級ホテルのようなリゾート空間を楽しめることです。プールで泳がないときでも、鑑賞するだけで優雅な気分を味わうことができます。プールサイドでのんびりとお酒を飲んだり、読書したりと最高のリラクゼーションになります。
また、友人を招いてのガーデンパーティーでも、一味違った雰囲気を醸し出せます。ナイトプールを思いっきり楽しめるのも、プール付きの家ならではの特権といえるでしょう。誰にも邪魔されず、ラグジュアリーな雰囲気を満喫できます。
夏場のプールは子どもにとって最高の遊び場です。夏休みになると、庭にビニールプールを設置して、毎日のように水遊びした記憶がある方も多いのではないでしょうか。しかし、ビニールプールを設置するためには空気を入れて、水をためて、と手間がかかります。
また、シーズンオフにプールをしまうときも、空気を抜いて、掃除してたたむのは重労働です。その点、プール付きの家ならば思い立ったらいつでも遊べます。子どもにとっては最高のレクリエーションになり、家族の手間も減らすことができます。
健康維持のためにスポーツジムのプールへ通う方はたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、仕事が忙しい方は、ジムの営業時間内に通うことが難しいこともあります。
その点、プール付きの家であれば時間に縛られず、いつでも泳ぐことができます。ジムに通う時間とお金も節約できますし、ゆったりとした気持ちで運動できます。
災害や断水が起こったとき、プールの水を生活用水として活用できることも大きなメリットです。一般的に、飲用や食事に必要な水の量は1人1日当たり3ℓと言われています。
そのほかに、手や体を洗う水や水洗トイレ用の水も確保しなければなりません。たとえば、3人家族で浴槽の水を使用した場合、3日程度で使い切ってしまうでしょう。
そこで、長期間断水が続いた場合は、プールの水が生活用水として非常に重宝します。最近は、飲用可能なろ過システムも防災グッズとして販売されているので、飲み水として使用することもできます。
次にプール付きの家に住むデメリットをご紹介します。設置してから後悔することがないよう、あらかじめデメリットについても把握しておきましょう。
プールには大量の水が入っているため、地震などで破損し、水漏れが発生する可能性があります。水漏れが地下で発生した場合、建物の基礎のひび割れや沈下などの重大なダメージを与えてしまうことがあります。また、水漏れが電気設備に達してしまうと、ショートや火災の原因になるケースもありますので注意が必要です。
水漏れを防ぐためには耐久性の高い素材を選び、プロの業者による定期的な点検をおこなうことが大切です。
プールをきれいに保つためにはランニングコストがかかります。たとえば、水質を維持するためにろ過装置を設置したり、薬剤で消毒したりと定期的費用が発生します。ろ過装置をつけていないプールは頻繁に水の入れ替えをする必要があり、水道代が高額になることも考えておきましょう。
プールを衛生的に使用するためには掃除が大切です。ろ過装置が設置されているプールの場合、夏場は週に1回、冬場は月に1回程度掃除をします。具体的には、落ち葉などのゴミをすくって取り除いたり、藻が付着した場所をブラシでこすってプール内の汚れを落としたりします。
最近では、水面のゴミを集めてくれる専用の機械や、プールの水を抜かなくてもプールの底の砂やホコリを集めてくれる水中掃除ロボットもあります。必要に応じて道具を活用すれば、掃除の手間を減らせるでしょう。
一方、ろ過装置が付いていないプールは水を浄化できないため、頻繁に水を入れ替えてプール内を掃除しなければなりません。そのため、非常に手間がかかり水道代も高額になります。
また、プールも経年劣化しますので、ひび割れなどがないか定期的に専門業者による点検をおこなう必要があります。
温水ではない屋外のプールで泳げる期間は、6~9月くらいまでと限られています。せっかくプールを造ったのに、案外活用できなくてもったいなかったと感じる方もいるかもしれません。
しかし、プールは泳ぐだけではなく美しい景観としても楽しめます。また、冬場に水をはっておくことで、紫外線による劣化を遅らせることができます。そのため、プールは一年中満水にしておくことをおすすめします。
子どもが小さいときにはプールでたくさん泳いだけれど、成長するにつれて利用頻度が減ってしまったということもあるでしょう。自宅にプールを建設する際は、ライフスタイルの変化を考慮して冷静に判断しましょう。
日本国内でプール付きの家に住む人はまだまだ少数派です。プール付きの家を実現するためには、大きくわけて3つの方法があります。
いちばんイメージしやすいのは、今住んでいる住宅の庭にプールを追加で建設する方法ではないでしょうか。庭はほかの場所に比べて建物に与える影響が少なく、場所さえあれば比較的自由にプールを建設することができます。
日本の建売住宅には、プール付きの物件がほとんどありません。一方で注文住宅は、間取りや外観、使用する設備などのすべてにおいて自由度が高いため、用途やライフスタイルに合わせてプールを建設することが可能です。
中古のプール付きの家を購入するのもひとつの方法です。最近ではプールのリノベーション物件を見かけることも多くなってきたので、住宅や不動産の販売サイトを覗いてみるのもよいでしょう。一戸建てのプールは管理ができるか不安という方には、プール付きのマンションもおすすめです。
自宅にプールを建設する場合、用途に合わせて場所を選ぶことができます。それぞれのメリット・デメリットを考慮して最適な場所を選びましょう。
プールの建設場所で最も一般的なのは、お庭ではないでしょうか。既存の住宅でも設置しやすく、水の重量を考えた設計が必要ないため、家の間取りにも影響がありません。道路から家の中が見えてしまったり、隣接する住宅との距離が近かったりする場合は、目隠し用のフェンスや塀を建設するのがおすすめです。
新築の場合、中庭にプールを建設することもできます。建物に囲まれているため、外からの視線を気にする必要がありません。だたし、建物の陰になって日当たりが悪い場所があるということに注意が必要です。
広い庭がない場合や屋上を活用したい場合、屋上にプールを建設する方法もあります。屋上のプールは、周囲に高い建物がなければ人目も気にならず、プライバシーを確保できることが最大のメリットです。しかし、家全体をプールの水の重さに耐えられる構造にしなければならないため、建設コストが高額になることがデメリットとなります。
室内にプールを建設すれば、一年中天候に左右されず使用できて日焼けの心配もありません。ただし、室内のプールには温水設備が必要なため、ランニングコストが高くなることを考慮しておきましょう。
ここでは、自宅にプールを建設する際の工事費用について解説していきます。
プールの施工費用の相場は、おおよそ300~500万円です。庭にプールを建設する場合は地面の掘削と残土処理が必要なため、プールの広さや深さによって費用が大きく変わってきます。
また、プールに給水するために、配管を太くしなければならないことがあります。既存の配管を変える必要があるか、事前に水道局などに確認しておくとよいでしょう。
プールの水質を維持するためには、ろ過機の設置が欠かせません。節約のためにろ過機をつけなかったり、性能の低いろ過機を設置したりすると、かえって維持費や手間がかかりランニングコストが高額になってしまうことがあります。
ろ過機自体は、ホームセンターやネット通販で購入できる数千円のものから、プールに据え付けられた高額なものまでさまざまな種類があります。プールの大きさに応じたろ過機能を備えた機種を選択しましょう。
プールを快適に使用するための維持費は、年間で約7~12万円ほどです。おもな内訳は、水質を維持するためのろ過機の電気代、水道代、消毒用の薬剤代となっています。
ろ過装置の電気代はプールの大きさにより変わりますが、一般的に1か月で5,000~6,000円程度かかります。ろ過装置には、砂や砂利を用いて水をろ過するタイプやカートリッジタイプなど、さまざまな種類があります。設置に必要なスペースや、ろ過装置のメンテナンス代などを考慮して選ぶと良いでしょう。
水を補充するための水道代も考慮しておきましょう。プールの水は使用時だけではなく、自然に蒸発して減っていくため定期的に足す必要があります。
たとえば、広さが15㎡、深さ1.2mのプールに水をいっぱいにすると約3,600円かかります。(水道代を10ℓ=2.02円として計算)
さらに、年間でプールの1/3くらいの水を補充しなければなりません。プールが建設されている場所やお住まいの地域の気候で差はありますが、金額としては1,200円くらいかかります。
対策としてはプールカバーの使用がおすすめです。水の蒸発やゴミの侵入を防げるため、水道代のコストと掃除の手間を大幅に減らせます。
消毒用の薬剤にかかる費用は、1か月で1,000円程度です。塩素剤のタブレットなどが一般的ですが、プールを建設した業者に、プールの素材に合わせたおすすめの商品を確認するとよいでしょう。
プールの施工期間は、施工方法や使用する材料によっても変わりますが、一般的には2週間から2か月程度です。
組み立て式のプールはユニットを取り付けるため、それほど期間はかかりません。一方でコンクリート製のプールは、現場施工のため天候に左右されることがあります。また、コンクリートが固まるまでの時間も必要です。
注文住宅でプールを建設する場合は、家の引き渡し時がプールの完成になります。通常、注文住宅は3~4か月で完成しますが、プールの工事で2か月ほど工期がプラスされて6か月程度かかるでしょう。
今回の記事では、プール付きの家のメリット・デメリット、ランニングコストについて詳しく解説しました。プールのある暮らしは豊かで充実した時間をもたらしてくれます。
しかし、建設費用やランニングコストを考えると、簡単に決断できるものではありません。いつまでもプールのある生活を楽しめるよう、将来のライフスタイルの変化を想像しながら計画するとよいでしょう。
庭などの屋外にプールの建設を検討されている方は、専門の外構工事業者に相談することをおすすめします。「ZOUS(ゾウズ)」では、プールだけではなく、庭全体の空間バランスを考慮したトータルデザインを提案しています。海外にリゾートにいるような雰囲気のお庭で、プライベート空間を存分に楽しんでみませんか。これまで、数々のプール施工を手掛けた経験豊かなスタッフが多数在籍する「ZOUS(ゾウズ)」に、ぜひご相談ください。