カーポートの設置を検討されている方のなかには、LIXIL製品が気になっている方も多いでしょう。LIXILは扱うカーポートの種類が多いため、豊富な選択肢のなかから自宅にぴったりの製品が選べます。
とはいえ、「LIXILにはどのような製品があるのか」「どうやって選べばよいのか」と、迷っている方もいるのではないでしょうか。そこで、この記事ではLIXILのカーポートの種類や特徴、価格などについて解説します。どれを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
画像引用:LIXIL
株式会社LIXILは、INAX・トステム・新日軽・サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が合併して生まれた大手住宅設備メーカーです。各社が保有していた豊富な施工実績と高い技術力を引き継ぎ、LIXILはグローバルに活躍しています。
2023年3月期の売上は1兆4960億円に上りました。キッチンやトイレ、お風呂といった水回り設備に強みをもつと同時に、インテリアやエクステリアの開発・販売にも力を入れているのがLIXILの特徴です。
LIXILのカーポートは、デザインやサイズ、カラーバリエーションが豊富です。住宅の外観や周囲の環境、駐車スペースの状況に合わせ、希望に合うものが選べるでしょう。
耐積雪仕様や耐風仕様のものもあり、地域の気象傾向に適した製品が選べます。また、カーポートを設置したい場所が狭小地や変形地であっても、対応できる製品があるのも強みです。
なお、LIXILのカーポートは大きくスタンダードタイプ・デザインタイプ・高強度タイプに分けられます。それ以外に、ガレージタイプの製品もあります。
画像引用:LIXIL「NESCA」
LIXILのカーポートのスタンダードタイプには、ネスカシリーズとフーゴシリーズの2シリーズがあります。どちらのシリーズも、住宅にしっくりとなじむオーソドックスなスタイルです。
まずは、ネスカ・フーゴのどちらにも共通する特徴として、基本の色・屋根材・形について解説します。
本体のアルミ形材色は以下の5色です。
フーゴには、アルミ形材色に加え、ラッピング形材色(木目調)も用意されています。
LIXILのネスカ・フーゴシリーズの屋根材は、ポリカーボネート・熱線吸収ポリカーボネート・熱線遮断FRP板DRの3つから選択できます。また、フーゴは特注でアルミ樹脂材も選ぶことができます。それぞれの屋根材の特徴は、以下の通りです。
屋根材の種類 | 特徴 |
ポリカーボネート板 | ガラスの約200倍の耐衝撃強度 特殊コーティングにより、紫外線をほぼ100%カットできる 色はクリアブラウン・クリアブルー・クリアマットの3色展開 |
熱線吸収ポリカーボネート板 | 熱を効果的にカットする熱線吸収タイプ 炎天下でもカーポート下の温度上昇を抑えられる ブルーマットS・クリアマットSの2色を提供 |
熱線遮断FRP板DRタイプ | 熱線の遮断により、カーポート下の温度上昇を軽減 有害な紫外線をほぼ100%カットする 色はミストグレーS |
アルミ樹脂複合板 (※フーゴシリーズのみ) |
アルミ+樹脂芯材の組合せで燃えにくい 紫外線も熱も100%カットする フーゴR1500は受注生産、それ以外は特注対応 色はアイボリーホワイト |
屋根材は、明るさや暑さ対策、強度など求める機能性とデザインで選ぶとよいでしょう。
LIXILのカーポートはさまざまなスタイルバリエーションがあり、停める車の台数や敷地の条件に合わせて選ぶことが可能です。おもなスタイルに、1台・2台・Y合掌・M合掌・縦連棟などがあります。それぞれの特徴は、以下の通りです。
スタイル | 特徴 |
1台 | 車1台が駐車できるタイプ 柱の高さは2,200mm・2,500mm・2,800mmの3パターン 奥行は5,000mm・5,400mm・5,700mmの3パターン |
2台 | 車2台を横に並べて駐車できるワイドタイプ 2台駐車できるタイプのなかでは、コストパフォーマンスがよい |
Y合掌 | 柱を中央にして1台用を2つ横に連結したタイプ 柱が外側にこないため、車の出し入れがしやすい |
M合掌 | 柱を両側にして1台用を2つ横に連結したタイプ 一体感のある自然なデザイン |
縦連棟 | 1台用を奥行方向に2つ並べて連結したタイプ |
LIXILが提供するネスカシリーズは、手ごろな価格が魅力のエントリーモデルです。屋根部分が自然な丸みを帯びたネスカR(ラウンド)と、屋根がまっすぐなネスカF(フラット)があります。
耐風圧強度は38m/秒で、よほどの強風が吹く地域でなければ風対策も万全です。強風や積雪が心配な場合、オプションの「耐積雪・耐風圧パッケージ」をセットすることで耐積雪30cm、耐風圧強度46m/秒まで高められます。
オプションとして、往来する人々の視線や吹き込む雨風を遮るサイドパネルの設置も可能です。また、物干し竿も取り付けられます。価格帯は、ネスカF 1台用で26万8,400円からです。
フーゴとネスカは見た目がよく似ていますが、耐風圧・耐積雪強度の点で異なります。ネスカも一般的には十分な強度がありますが、フーゴはさらに耐積雪強度・耐風圧強度が高いことが特徴です。屋根が自然な丸みを帯びたフーゴR、屋根がフラットなフーゴF、ゆるやかなアーチを描くフーゴAの3タイプのほか、サイドをカバーする袖壁タイプもあります。
耐風圧強度は標準で42m/秒相当、耐積雪強度は50cm相当です。雪や風が強い地域で心配な場合は、オプションで「耐積雪・耐風圧パッケージ」をセットしてさらに強度を高めることもできます。価格帯は、フーゴF 1台用・ポリカーボネート屋根材使用で32万4,400円から、2台用で78万6,800円からです。
画像引用:LIXIL「カーポートSC」
LIXILのデザインタイプは、機能性だけでなくデザイン性にも優れています。カーポートSC・アーキフィールド・アーキフラン・Gルーフカールーフなどのタイプから選ぶことができます。ここでは、LIXILのデザインタイプのなかでも人気の高い、カーポートSCとアーキフィールドの2つを見ていきましょう。
カーポートSCの大きな特徴は、住宅との調和を目指した洗練されたデザインです。LIXILが提供するほかのカーポートで見られるような中骨が屋根に通っておらず、フラットな一枚板の屋根と柱で構成されています。
屋根材にはわずか40mmの薄さのアルミ材を使用し、非常に洗練されたおしゃれな見た目です。LIXILのカーポートSCは、グッドデザイン賞をはじめ国内外の多数のデザイン賞を受賞しています。
色はマットな質感のシャイングレーやナチュラルシルバー、ブラックで、天井面は木調色も選べます。アルミ材でできた屋根は直射日光を遮り、落ち葉や汚れがついてもカーポート内から見えづらく気になりません。
シンプルなデザインでどのような住宅にも合いますが、特にナチュラルモダンな建物によくマッチするでしょう。価格帯は、1台で52万3,700円からです。
LIXILのアーキフィールドは、ファサードにひとつの部屋のような屋根のあるスペースを形成するカーポートです。一般的なカーポートのように屋根を下から柱で支えるのではなく、上から吊り上げることで、室内の天井のようなフラットな状態を作り出します。
屋根には中骨がなく、内側には暖かみのある天井板をはりつけた、LIXILのカーポートのなかでも斬新なデザインです。オプションで、スリット照明やサイドパネルの取り付けもできます。カーポートとしてだけでなく、ガーデンスペースのルーフとして使用するケースもあります。価格帯は、1台用・天井板の取り付けなしで101万4,000円からです。
画像引用:LIXIL「カーポートSW」
LIXILのカーポートの高強度タイプは、文字どおり強風や積雪に高い強度を持つように設計されています。直線的で機能的なデザインが特徴です。
高強度タイプには、カーポートSW・カーポートST・ソルディーポートの3つがあります。ここでは、人気の高いカーポートSWとカーポートSTを紹介しましょう。
どちらのタイプも基本的にカラーは同じで、以下の4色展開です。
屋根材の化粧枠の色は、シックなクリエモカとクリエダークから選べます。
LIXILのカーポートSWは、シックなデザインと優れた耐風圧強度をあわせもつカーポートです。台風時の強風にも耐えうる強さにこだわって設計されています。
耐風圧強度は46m/秒相当で、これは業界最高水準の耐風圧強度です。耐積雪強度は30cmと50㎝の2つから選べます。お住いの地域の気象に合わせて選ぶとよいでしょう。
LIXILらしく、余分なものを省いた直線的かつスタイリッシュなデザインで、シンプルゆえにどんな外観の住宅にもなじみます。梁や屋根を延長したり、2台連結したりすることも可能です。カーポートSW900タイプで、34万2,100円からあります。
LIXILのカーポートSTのコンセプトは「雪から暮らしを守る」です。骨太の力強いデザインで、耐積雪強度は最大で200cmと、業界でも最高水準を誇っています。
耐積雪強度100cm・150cmのタイプもあるので、お住いの地域の最深積雪に合わせて選ぶとよいでしょう。カーポートST 3000タイプ1台用(4本柱)で、38万700円からあります。
カーポートを扱っているエクステリアメーカーのなかでも、LIXILには豊富な製品がそろっています。そのため、どれにすればよいか迷っている方もいるでしょう。そこで、ここではLIXILのカーポート選びのポイントを紹介します。
カーポートのサイズは、所有する車のサイズ(全長・全幅・全高)と停める予定の台数で異なります。まずは車の正確なサイズを調べましょう。車の出し入れのしやすさやドアの開閉スペースなどを考え、カーポートは車の実際のサイズよりも大きめを選びます。目安は以下の通りです。
所有する車は1台でも、「お客様用のスペースを用意したい」「将来もう1台購入する予定がある」といった場合には、2台以上のスペースが必要です。
LIXILのカーポートの屋根には大きくラウンドスタイルとフラットスタイルがあり、それぞれ印象が異なります。
スタイル | 特徴 |
ラウンドスタイル | ゆるやかな丸みがあり優しい印象を与える 一般的なカーポートの形で、どのような住宅でもなじむ |
フラットスタイル | シャープな機能美を感じさせる モダンでおしゃれな雰囲気の住宅によく合う |
LIXILのカーポートは、柱の位置も片支持・両支持・後方支持から選べます。それぞれの特徴は、以下の通りです。
支持タイプ | 特徴 |
片支持 | 片側のみで屋根を支えるタイプ シンプルですっきりした印象 |
両支持 | 両側に柱を立てるタイプ 2台以上停められるカーポートはこのタイプが多い 門構えのような印象 |
後方支持 | 屋根の後ろ側で支えるタイプ 前に柱が来ないので、車の出し入れがスムーズ 柱が目につきにくくオープンな印象 |
カーポートはファサードを形成する大きな要素で、住宅の印象にも大きな影響を与えます。住宅とカーポートのテイストがあまり合っていないと、ちぐはぐな印象になりかねません。
そのため、デザインや色などをよく考慮し、住宅やほかのエクステリアとマッチするものを選ぶことが大切です。LIXILのカーポートは色が豊富で、オーソドックスなスタイルから洗練されたスタイルまでさまざまなデザインがあります。LIXILのカーポートなら、家によく合うデザインが選べるでしょう。
カーポートは風や雪、日差しなどの影響を受けやすい傾向があります。そのため、お住いの地域の気象状況も考慮してカーポートを選びましょう。強風や積雪が気になる地域では耐風性能や耐積雪性能に優れた製品を選ぶと安心です。夏の直射日光が強い地域では、熱線を遮断する性能をもつ屋根材を選ぶと、車内温度の上昇を防げます。
今回は、LIXILのカーポートを紹介しました。LIXILのカーポートは、デザインやカラーバリエーションが豊富で、機能性にも優れています。住宅を選ばないオーソドックスなスタイルがよいなら、LIXILのスタンダードタイプがおすすめです。外観と機能の両方にこだわりがあるならデザインタイプを選ぶとよいでしょう。豪雪地帯や強風が吹く地域では、高強度タイプを選ぶと安心です。
LIXILのカーポートを選ぶ際は、サイズを決め、周囲の環境や住宅の外観ともしっくりなじむデザインを選びましょう。LIXILには豊富な種類のカーポートがそろっているので、じっくり検討して、ライフスタイルや希望にぴったり合うものを選んでください。