ウッドデッキを設置するときは、ウッドデッキの寿命について知っておかなければいけません。なぜなら、ウッドデッキの寿命を無視して使い続けてしまうと、劣化した床板が抜けて怪我をすることがあるからです。
しかし、すでにウッドデッキを設置している場合でも、ウッドデッキの寿命について理解している方は、それほど多くありません。今回は、ウッドデッキの寿命について詳しく解説していきます。
本記事を読むと、ウッドデッキの寿命と劣化要因、素材別の弱点と寿命が近づくと出てくる症状が分かります。ウッドデッキの設置をご検討中の方だけでなく、すでに設置している方も、ぜひご一読ください。
目次
ウッドデッキにも寿命があります。ウッドデッキを設置している方のなかには、このことを知らないまま使用している方も珍しくありません。また、なんとなく寿命があることは知っていても、設置から何年ほどで寿命を迎えるのか、具体的なことは知らないままの方も多いです。
ウッドデッキの寿命を無視して使い続けていくと、劣化した床板が抜けて怪我をすることもあるので、注意しなければいけません。また、寿命を無視して使用し続けた結果、シロアリが繁殖する原因になることもあります。ウッドデッキにシロアリが繁殖してしまうと、ウッドデッキだけでなく、家に被害が拡大することもあるので注意が必要です。
ウッドデッキの寿命は、基本的には約10年から15年程度とされています。しかし、使用する素材によって寿命に違いがあるので、素材別の寿命を知っておくことも大切です。
天然木を使用したウッドデッキの目安となる寿命は、5年から10年程度です。一方、人工木は天然木と比べると寿命が長く、15年から20年程度は使用し続けられるとされています。
ただし、メンテナンスの頻度や内容、設置場所の状況、屋根の有無によっても寿命は変わります。そのため、ここでご紹介した寿命はあくまで目安として覚えておき、定期的に点検をしつつ、ウッドデッキの状況を見ながら判断するようにしましょう。
ウッドデッキは、一度設置したらずっと使えるわけではなく、日々の劣化の集積によって、いつか寿命を迎えます。ウッドデッキを劣化させる要因として、次の3つが挙げられます。
どれも、屋外に設置するウッドデッキにとって避けられないものですが、詳細を知っておくことで、対策を取ることは可能です。ここからは、それぞれの要因について、詳しく解説していきましょう。
ウッドデッキにとって、雨や湿気は大きな劣化要因になります。木が水を吸収することでカビが発生する環境が作られるからです。また、天然木の場合は水を吸収するときに、木を腐食させる菌が繁殖しやすくなることも劣化原因になります。
人工木は腐らないと認識されている方も多いですが、それは間違いです。人工木も木粉が原料として使われているので、水を吸収すれば内側から腐食していきます。天然木と比較すると腐りにくいだけで、決して腐らないわけではありません。
そのため、日当たりの悪い場所や湿気の多い場所にウッドデッキを設置すると、天然木か人工木かに限らず、寿命が短くなる危険性があることは覚えておきましょう。
シロアリ被害もウッドデッキの寿命に関わる大きな要因です。特に、天然木を使用したウッドデッキは、シロアリ被害のリスクが高くなるので注意しなければいけません。
基本的に、ウッドデッキに使用する木材には、防腐加工や防蟻加工がされています。しかし、年数が経過するとそれぞれの加工の効果が薄れていくので、定期的にメンテナンスを実施しなければ、腐食やシロアリ被害のリスクが高まります。
特に、ウッドデッキの木材がシロアリ被害に遭うと、木の内側が食べられることで密度が下がり、劣化が急速に早まります。気付いたときにはすでに手遅れというケースもあるので、ウッドデッキを守るためにも、シロアリ対策は早めに考えておきましょう。
紫外線もウッドデッキの寿命に関わる大きな劣化要因です。
先述の通り、雨や湿気はウッドデッキの劣化要因なので、それらを避けるため、日当たりのよい場所に設置するのが基本です。しかし、日当たりのよい場所は紫外線が多くなります。紫外線を浴び続けると、木が劣化し、ひび割れやささくれ、反りが起こるうえに、木材が色褪せていく原因になります。
ウッドデッキを日当たりのよい場所に設置する以上、紫外線による劣化を完全には防げません。しかし、メンテナンスによってその影響を減らすことは可能です。そのため、ウッドデッキを長持ちさせるには、日々の定期的なメンテナンスが欠かせないのです。
ウッドデッキに使用する素材には、それぞれ特徴があり、異なる弱点もあります。そのため、ウッドデッキの寿命を理解するためには、素材別の弱点を把握しておくことが大切です。
ここからは、素材別の弱点と劣化要因について見ていきましょう。
天然木の主な劣化要因は、雨と湿気です。特に、日当たりの悪い場所に設置してしまうと腐食が早まります。
天然木が水分を吸収すると、木を腐食させる菌が繁殖しやすくなります。そのため、寿命を延ばすには、日当たりのよい場所に設置するだけでなく、定期的な防水処理が欠かせません。また、天然木は虫食いによる被害も起こりやすいので、定期的な防虫処理も重要です。
人工木の最大の弱点は、紫外線です。紫外線を浴び続けることでプラスチックが徐々に劣化して、ひび割れや曲がり、反りなどが起こりやすくなります。
また、人工木はメンテナンスが不要とされていることもありますが、定期的な掃除は実施しなければいけません。なぜなら、汚れが付着したまま放置しておくと、変色することがあるからです。
そのため、人工木のウッドデッキの寿命を延ばすためには、小まめな掃除が大切です。汚れを見つけたら水拭きするなどして、なるべく綺麗な状態を維持してください。
水拭きで落ちない汚れは、デッキやブラシでこすって落とします。それでも汚れが落ちない場合は、サンドペーパーで削って対応するとよいでしょう。
ウッドデッキの寿命が近づくと、いくつかの症状が出てきます。これらの症状を確認したら、安全面に問題がある可能性があるので、迅速に対応を考えなければいけません。
一番危険なのは、症状に気付かないまま使用し続けることです。怪我をしてしまう危険もあるので、寿命が近づくと出てくる症状を見逃さないようにしましょう。
ウッドデッキの寿命が近い症状としては、以下の2つが重要です。
以下で、それぞれについて詳しく確認していきましょう。
ウッドデッキの上を歩いたときに、床が沈む感覚があったら寿命が近づいているサインです。
中には、床が沈む感覚があっても、見た目に問題がないので大丈夫だと判断される方もいます。しかし、見た目には劣化がなくても内側から腐食している可能性があるので、使用し続けるのは避けてください。そのまま使い続けると、床が抜けて怪我をしてしまう可能性があります。
床が沈む感覚を覚えたときは、寿命が近づいているサインなので、すぐに使用をやめ、専門の業者に相談するようにしましょう。
人工木は寿命が近づくと、ひび割れが目立つようになるので注意が必要です。
ひび割れが多くなると、重さに耐える強度がなくなり、使用しているときに割れる可能性が高まります。そのため、力を加えたときにパキッと割れるような音が聞こえたり、デッキの上を歩いているときにパキッという音を耳にすることが増えたりしたら、使用を控えるようにしてください。
また、ひび割れが目立つウッドデッキには、ささくれが生じていることも多いです。そのまま気づかずに使用すると、ささくれが刺さって怪我をする可能性もあるので、くれぐれも注意しましょう。
ウッドデッキの寿命をなくすことはできませんが、劣化を防いで寿命を延ばすことは可能です。具体的には、以下の3つの方法が効果的です。
ここからは、ウッドデッキの劣化を防ぎつつ寿命を延ばすそれぞれの方法について、詳しく解説していきます。
ウッドデッキの劣化を防ぐためには、定期的な塗装が必要です。
ウッドデッキの寿命に関わる要因として、雨や湿気があります。木が水分を吸収することで、カビが生えやすくなるうえに、水分を吸収するときに木を腐食させる菌が繁殖しやすくなります。
つまり、雨や湿気を吸収しにくい状態を維持できれば、カビや菌の繁殖を抑えられます。そのために重要なのが、定期的な塗装の実施です。
定期的に防腐塗料や防蟻塗料を塗装することで、雨や湿気を吸収しにくい状態を維持できます。また、塗装によってカビやシロアリの発生リスクも下げられるので、ウッドデッキの劣化を防ぎつつ、寿命を延ばせるでしょう。
ここで覚えておきたいのが、塗装頻度です。もちろん、状況によって違いはありますが、目安として3年という頻度を覚えておきましょう。ただし、2回目以降の塗装の場合は、3~5年の間で様子を見ながら行えば問題ないとされています。
なお、天然木のウッドデッキを塗装メンテナンスしないまま使い続けると、約5年程度で寿命を迎えることも珍しくありません。せっかく設置したウッドデッキを、長く快適に使用し続けるためにも、定期的な塗装を心がけるようにしましょう。
ウッドデッキの劣化を防ぐには、日頃からの清掃とメンテナンスが大切です。日頃から清掃を心がければ、ウッドデッキをカビから守れます。
特に、ウッドデッキで飲食したときは注意しなければいけません。油汚れが付着したまま放置しておくと、汚れが取れにくくなるだけでなく、変色やカビに発展する恐れもあるからです。ウッドデッキで飲食した後は、軽い水拭きの後に乾拭きをして、綺麗な状態を維持しましょう。
軽い水拭きで汚れが取れない場合は、デッキブラシなどを使って清掃することも大切です。デッキブラシでも落ちない頑固な汚れは、中性洗剤を薄めて落としましょう。ただし、洗剤を使用した場合は、ウッドデッキに洗剤が残らないよう、しっかりと水洗いをしておきましょう。
また、洗剤でも落ちない汚れの場合は、サンドペーパーでこすって落とすのもおすすめです。サンドペーパーによってウッドデッキ表面が削れるため、頑固に固着した汚れもきれいに落とせます。
屋根を設置すると、ウッドデッキの劣化を防ぐことができます。なぜなら、屋根があることで、雨や紫外線から受ける影響が少なくなるからです。
基本的に、ウッドデッキは日当たりのよい場所に設置します。そのため、紫外線を完全に避けることはできませんが、屋根を設置することで影響を少なくすることはできます。紫外線の影響を少なくすれば、木材が色褪せにくくなり、きれいな状態を維持できるのもメリットです。
また、屋根を設置すると、雨の日でもウッドデッキに洗濯物を干せるなど、ウッドデッキでできることの幅が広がる点も嬉しいポイントでしょう。
ただし、屋根を設置する際は、圧迫感が出る可能性がある点に注意が必要です。圧迫感を持たせたくない場合は、タープやシェードで対応することも選択肢の1つになります。
ウッドデッキの寿命は、天然木で約5年から10年程度、人工木で15年から20年程度とされています。ただし、設置場所や周辺の状況、メンテナンスの頻度によって寿命は変わるので、1つの目安として覚えておくことが大切です。
寿命を無視したままウッドデッキを使い続けると、床材が抜けて怪我をしたり、シロアリ被害が拡大したりする可能性があるので、注意が必要です。
ウッドデッキを設置する際は、定期的な清掃や点検を行い、柔らかくなったりひび割れが目立ったりなどのサインが見られた場合は、すぐに対策を取りましょう。
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