家族との時間を楽しむために、マイホームにウッドデッキを設置したい人も多いでしょう。ウッドデッキの資材は、主に天然木と樹脂・人工木に分けられます。
天然木のウッドデッキは木の香りや質感を楽しめますが、風雨に弱く傷みやすいのが難点です。一方、樹脂・人工木のウッドデッキは傷みにくい反面、雨の後は水が溜まってしまいます。そこで、どちらのタイプにもおすすめなのが、ウッドデッキに屋根を付けることです。
この記事では、ウッドデッキに屋根を付けるメリット・デメリットや、屋根の種類、設置する際の注意点について、詳しく解説していきます。
目次
ウッドデッキに屋根を付けると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、6つのメリットについて詳しく解説します。
ウッドデッキに屋根があると、多少の雨や雪なら防ぐことができます。そのため、天候が変わりやすい時期でも、洗濯物を干したり家族が過ごしたりするスペースとして活用できます。
たとえば、近所のスーパーやコンビニへ買い物に出かけた際、急に天候が変化して雨や雪が降り出したとしても、屋根付きのウッドデッキであれば、慌てて帰る必要はありません。また、子どもを遊ばせていたり、バーベキューをしていたりするとき、突然パラパラと雨が降り出してきても、ゆっくり対応できるため安心です。
屋根で雨や日差しを防ぐことによって、ウッドデッキの耐久性が高まり長持ちします。
天然木のウッドデッキの場合、雨による腐食や日差しによる日焼けによって、木材が傷んでいきます。また、樹脂など天然木以外の素材を使ったウッドデッキの場合も、長期間日差しにさらされることは、変色などの劣化を引き起こす原因になります。
屋根を設置することでこれらを防げれば、ウッドデッキが傷みにくくなり、表面の再塗装などメンテナンスの回数も減少させられるでしょう。
ウッドデッキに屋根を付けることで、周囲からの目隠し効果が期待できます。住宅地の場合、庭につくったウッドデッキが隣家や道路の通行人から見えてしまい、ウッドデッキでゆっくり過ごせないこともあるでしょう。
ウッドデッキに屋根を付けると、隣家の2階からの視線はしっかり防げます。さらにシェードや目隠しフェンスを使うと、道路からの視線もカットできます。
屋根があるウッドデッキは、1年中、アウトドアリビングとして活用しやすくなります。日差しが強い夏場や、雨の日でもウッドデッキを使えるため、好きなときに外の空気を満喫しながらコーヒータイムを楽しんだり、ゆっくり読書したりできます。このように、屋根を付けることで、ウッドデッキをリビングの延長として使えるシーンが増加します。
ウッドデッキの屋根によって、ウッドデッキに隣接する部屋への日差しを和らげられます。屋根によって直射日光が入らないため室内の気温が上がりにくく、空調効率が良くなり、冷房費にかかる電気代を節約できます。屋根の奥行きによっては室内の紫外線対策にもなるため、フローリングや家具の日焼けによる劣化を防ぐ効果も期待できます。
ウッドデッキに屋根を付けると、洋風建築風のデザインになり、見た目がおしゃれになります。昔からウッドデッキが愛用されている西洋の住宅やホテルでは、屋根を設置して日差しや雨を防ぎながら、オープンテラスとしておしゃれに活用されています。
さらに、屋根があることでウッドデッキに汚れがつくのを防げるため、メンテナンスがしやすく、長くきれいな状態を維持しやすくなります。
ここでは、ウッドデッキに屋根を付ける際に気をつけたいデメリットを4つ紹介します。
ウッドデッキに屋根を付けると、圧迫感が出て、空間が狭く感じられる可能性があります。屋根がない状態よりも空が見える範囲がさえぎられ、開放感が損なわれるからです。
特に室内からウッドデッキのある外を見た際に、視界の狭さを感じやすくなります。設置する屋根の高さやサイズによって開放感の感じられ方が変わるため、取り付ける前に十分検討しましょう。
ウッドデッキに屋根があると、窓から入る日差しがさえぎられ、室内の温度が下がります。これは、強烈な日差しが差し込む夏場にはメリットになりますが、冬場は室温が上がらないためデメリットにもなり得ます。
夏と冬では室内に直射日光が入る角度が変わるため、屋根の位置や方角を考慮して、ウッドデッキに屋根を設置するとよいでしょう。
ウッドデッキの屋根は強風に弱く破損する恐れがあるため、台風や突風などの対策が必要です。また、積雪が多い地域では、大量に雪が降った場合、重みに耐えられずにウッドデッキの屋根が倒壊する可能性もあります。
お住まいの地域の自然環境に合わせて、基礎を強化したり強風に強い素材を使用したりなど、対策方法を検討しましょう。
ウッドデッキに屋根を付けると、屋根部分に落ち葉や砂、汚れがたまりやすくなるため、定期的な掃除が必要となります。特に、屋根材を透明なものにすると、下から見上げたときに汚れが目立つため、念入りな掃除が不可欠です。せっかくのおしゃれな空間を台無しにしないよう、定期的な掃除を欠かさないようにしましょう。
ここからは、ウッドデッキの屋根におすすめの素材や種類について、詳しく紹介します。
「テラス屋根」とは、建物の掃き出し窓や勝手口などに取り付ける屋根のことで、ウッドデッキの屋根としてもよく使われます。
テラス屋根で使われる代表的な素材は、強度が高いプラスチック素材の一種であるポリカーボネート(ポリカ)です。テラス屋根に設置する場合、表面が波型に加工された「波板タイプ」と凹凸のない「平板タイプ」のポリカがよく使われます。
ポリカーボネート製の屋根は雨水が溜まりづらく、高い耐久性と採光性が魅力です。透明または半透明の素材で日差しを通すため、屋根のある圧迫感を解消し、明るさや開放感のあるウッドデッキをつくれます。近年では、遮熱性の高い製品もあり、室内の冷房効率アップも期待できます。
ポリカーボネートは日差しを通しやすい素材であるため、ウッドデッキや室内での日差し対策をメインにしたい場合は、他の種類の屋根を検討するとよいでしょう。また、継ぎ目に汚れが溜まりやすく、下から見上げると汚れが目立つので、定期的な掃除が必要な点にも注意が必要です。
「パーゴラ」とは、つる性の植物をからませ日差しをさえぎる、棚状屋根のことです。木材で作られることが多く、腐食しにくいように加工されています。ウッドデッキの屋根として使用する場合、植物をからませないタイプもあり、垂木に布シェードをつけてリゾート風にしたり、ハンモックを吊るしたりして楽しめるのも魅力です。
パーゴラにからませる植物を選ぶ際、冬に落葉する植物を選択すると、季節によってウッドデッキの日差しの量を調節しやすくなります。春から秋にかけては十分な葉の量で木陰や木漏れ日が気持ちよく、冬場は日光が葉にさえぎられず、穏やかな時間を過ごせるでしょう。また、植物をからませていれば強風にも強く、通気性が良いのも魅力です。
パーゴラは完全に上部をおおっているわけではないので、雨や日差しを完全には遮れない点がデメリットです。そのため、雨除け日除けとして使いたい場合は、別途屋根材を付けるとよいでしょう。また、天然木で作られたパーゴラの場合は、シロアリなどの被害も考えられるので、定期的なお手入れが不可欠だといえます。
「オーニング」とは、カフェや店舗の窓際でよく使われる、壁に固定された可動式テント屋根です。オーニングは遮熱性に優れているのが特徴で、手動や電動で屋根を自由に開閉でき、天気や季節に合わせて活用できます。
オーニングに使われている生地は、キャンプで使われるテントと同じものです。そのため、水洗いで汚れを落とせますが、毎日のように日差しに当たると劣化しやすい点に注意が必要です。また、オーニングはウッドデッキに対してサイズの小さい製品が多いため、購入する際はウッドデッキとのバランスを確認しておきましょう。
「サンシェード」とは、日差しをブロックする専用の布で、窓の上部に取り付け、斜めに垂れ下げて設置します。風通しが非常に良いため、ウッドデッキでくつろぐ際に重宝します。
サンシェードは取り付けが簡単で、屋根材を使わないため予算を抑えられたり、気分や季節によって付け替えたりできます。また、UVカット機能付きの製品もあるので、手軽な日除けとしても活用できるでしょう。
ただし、サンシェードは日除け用の布であるため、風が強い日には使用に向きません。また、雨はほとんど防げないので、天然木のウッドデッキと組み合わせる際は注意が必要です。
ウッドデッキをガラス張りで囲む「サンルーム」と、ポリカーボネート製の屋根にガラス製の囲いをつけた「テラス囲い」は、どちらも雨風に強く、リビングの延長として利便性が高いのが特徴です。外気が入り込まないため、花粉が多いときの室内干しスペースとしても使いやすいでしょう。
しかし、サンルームやテラス囲いは日差しを通すため、夏場はかなり暑くなります。そのため、快適に過ごすためには空調設備を入れたり、風の通り道を確保したりする必要があるでしょう。
ウッドデッキに屋根を付ける際に重要なのは、場所やサイズです。ウッドデッキだけでなく、外観の見え方や庭の植栽とのバランス、他の窓への影響など、多角的に検討する必要があります。
ここでは、ウッドデッキに屋根を付ける際に注意してほしい、4つのポイントをお伝えします。
ウッドデッキに設置する屋根によって、ウッドデッキ内だけでなく、室内の日当たりにどのくらい影響するかを予測しましょう。想像していたよりも室内の日当たりが悪くなり、後悔することも考えられます。季節によって異なる日差しの角度に気を配り、特に高額になりがちな暖房費に影響する冬の日当たりに注意して、屋根の大きさを検討すると良いでしょう。
ウッドデッキで洗濯物を干したい場合は、日差しを取り込めるサイズの屋根にすることが大切です。晴れた日に太陽光で乾かしたい場合は、ウッドデッキ全体を屋根がおおわないようにするのがおすすめです。また、季節による日当たりの変化も考慮するようにしましょう。
積雪の多い地域では、屋根やウッドデッキの基礎部分の強度にも配慮しましょう。屋根に負荷がかかりすぎると、雪の重みで倒れたり、ウッドデッキごと地盤沈下したりする可能性があります。積雪地用製品も販売されているため、施工担当者と相談しながら検討しましょう。
ウッドデッキに屋根を付ける際は、建築面積として加算されるかどうかを把握し、建ぺい率と固定資産税について注意が必要です。
「建ぺい率」とは、敷地面積に対して、建物の面積がどのくらいを占めているのかを表す数値です。建ぺい率は以下の計算式で求められます。
建ぺい率(%)=建築面積 ÷ 敷地面積 × 100% |
住宅を建てられる建ぺい率・容積率は、地域によってそれぞれ定められています。基本的に屋根と壁があると建築面積に含まれます。
ウッドデッキに屋根を付けた場合は、側面の3方向が開放的であれば、建物からの長さが2m以下なら建築面積に含まれません。ただし、建物からの長さが2m以上なら、先端から2mを超えた建物側の部分は建築面積に含まれます。
また、サンルーム・テラス囲いのように、3方向が閉鎖的である場合は、建築面積に含まれます。なお、建ぺい率と併せてよく言われる建築用語に「容積率」があります。容積率は建物の延べ床面積によって算出されるものなので、壁で囲わないウッドデッキは基本的に算入されません。ただし、建ぺい率と容積率は自治体によって基準や考え方が異なるため、事前に調べておくことをおすすめします。
「固定資産税」とは、土地や建物にかかる税金です。
固定資産税の税額=課税標準額 × 1.4% |
固定資産税の対象となる「家屋」の条件は、「外気分断性」「土地定着性」「用途性」があることです。
屋根と壁があり、目的や用途に合った「家屋」を対象としているため、壁のないウッドデッキは原則として対象となる可能性は低いといえます。しかし、屋根や壁のあるサンルーム・テラス囲いの場合は、「土地定着性」「外気分断性」の条件を満たすため「家屋の一部」と見なされる可能性が高いでしょう。
課税対象のウッドデッキに適用される固定資産税の計算式は以下の通りです。
ウッドデッキの固定資産税額=(ウッドデッキの工事費用 × 50%) × 1.4% |
該当した場合の金額を事前に知っておけば、ウッドデッキの屋根設置の検討もしやすいでしょう。
ここまで、ウッドデッキに屋根を付けるメリット・デメリットや、屋根の種類、設置する際の注意点を詳しく解説してきました。ウッドデッキに屋根を付けると、日差しや雨をさえぎれるため活用しやすくなり、ウッドデッキの耐久性も上がるなど、多くのメリットが期待できます。
屋根を付ける際は、ウッドデッキの加工が必要な場合もあるため、ウッドデッキと一緒のタイミングで施工するのがおすすめです。生活環境に合う屋根を付けて、快適に過ごせるウッドデッキをつくりましょう。
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「Outside & Life Style 自分の庭を遊び尽くす!」をモットーに、海外のようなお庭で、外の目を気にせずプライベートが楽しめる空間デザインを得意としています。これまで数々のエクステリアを手掛けてきた知識と経験の豊富なスタッフが多数在籍しています。
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