開放的でおしゃれなウッドデッキは、自宅で過ごす時間を大切にしたいご家族に人気があります。しかし、実際にウッドデッキに立ってみて、意外に周囲からの視線が気になり、目隠しフェンスの必要性を感じた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウッドデッキに目隠しフェンスをつけるメリット・デメリットや高さの目安、設置時の注意点などを解説します。これからウッドデッキに目隠しフェンスを設置しようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ウッドデッキとは、天然木材や人工木材でつくる屋外に設置するテラスのことです。戸建て住宅の場合、隣接する部屋の吐き出し窓から、室内の床の高さとそろえてつくるのが一般的です。リビングの外に設置すれば、リビングの延長上にあるセカンドリビングとして活用でき、さまざまな用途で使えます。
ウッドデッキは開放的な魅力がある反面、外部から見えやすいため、目隠しフェンスを設置してプライバシー性を確保する人もいます。ウッドデッキに目隠しフェンスを設けると、隣家や通行人からの視線を気にせず、ウッドデッキで快適に過ごせます。
通常のフェンスよりも隙間の狭い目隠しフェンスにすることで、ウッドデッキの活用の幅を広げるだけでなく、室内への視線もさえぎってプライバシーをしっかり守れます。
ウッドデッキの目隠しフェンスに使われる主な素材は、次の通りです。
名称 | 特徴 |
---|---|
アルミ製 | 軽くてサビに強い素材のため、地震対策に人気。 木目調など、種類が豊富でおしゃれにもできる。 |
ポリカーボネート製 | 半透明タイプなら採光と目隠しができる素材。 風通しが悪い点に注意が必要。 |
天然木製 | 塗装やカットができ、経年変化を楽しめる素材。 雨風に弱く、虫害があるため、メンテナンスが必要。 |
木樹脂製 | 天然木のようにつくられた素材。 反り・ひび割れ・変色もほとんどないため、メンテナンスしやすい。 |
また、フェンスの形状にも以下のような種類があります。
名称 | 特徴 |
---|---|
格子フェンス | 格子がクロスしたデザインのフェンス。 縦格子タイプと横格子タイプがある。目隠しフェンスあり。 |
ルーバーフェンス | 細長い横板を斜めに重ねたフェンス。 比較的風通しが良い。目隠しフェンスあり。 |
スクリーンフェンス | プライバシーを守る機能を高めた背の高いタイプのフェンス。 縦格子タイプと横格子タイプがある。目隠しフェンスあり。 |
ラティスフェンス | 木製やアルミ製の格子状に組まれたフェンス。 ルーバータイプもある。ガーデニングフェンスとして活用。 |
メッシュフェンス | 網目になっているメッシュ状のフェンス。 |
ひとくくりに目隠しフェンスといっても、素材や形状によって特徴が異なるので、用途やお好みに合わせて選ぶようにしましょう。
ここでは、ウッドデッキに目隠しフェンスを設置するメリットを5つご紹介します。
ウッドデッキの目隠しフェンスが最も効果を発揮するのは、プライバシーの確保です。ウッドデッキがリビングの延長上にある場合、通行人からの視線が気になり、カーテンを常に閉めている家もあります。
しかし、ウッドデッキに目隠しフェンスがあれば、カーテンを閉めなくても周囲からの視線が遮られ、家族が気軽に使える空間にできます。
ウッドデッキで洗濯物を干したい場合、テラス屋根と目隠しフェンスをセットで設置すれば、雨風を防げて安心の物干しスペースをつくれます。テラス屋根だけでも雨よけになりますが、横からの強風に弱く、洗濯物が飛ばされる可能性があります。
しかし、テラス屋根と目隠しフェンスを同時に設ければ、強風でも洗濯物が飛ばされにくくなり、雨が横から入ってくるのを防ぐ効果も得られます。
目隠しフェンスは、ウッドデッキで子どもを遊ばせる際の転落防止対策としても有効です。通常、ウッドデッキとリビングの間は段差がないですが、ウッドデッキと屋外(庭)との間には段差があります。
そのため、子どもがウッドデッキの高さを意識していないと、地面に転落してケガをする可能性があります。その点、ウッドデッキの外側に目隠しフェンスがあれば、子どもの転落や飛び出しを防止でき、小さな子どもがいるご家庭でも安心して過ごせるでしょう。
目隠しフェンスがあると、ウッドデッキからペットが逃げ出すのを防止する効果も得られます。ペットのいるご家庭の場合、ウッドデッキはペットたちの格好の遊び場でしょう。
しかし、ウッドデッキにフェンスがない、あるいは背の低いフェンスしかない場合、ペットが飛び越えて外に出てしまう可能性があります。
その点、背の高い目隠しフェンスを設置していれば、万一の脱出を防げます。また、スリット幅の狭い目隠しフェンスを選べば、隙間から逃げ出すことも防止でき、安全に遊ばせられるでしょう。
ウッドデッキに目隠しフェンスを設置すると、外からウッドデッキ内が見えづらくなるため、防犯対策にもなります。特に、スリット幅が狭い目隠しフェンスを採用すれば、ウッドデッキ内だけでなく、隣接する室内も見えづらくなります。
日常的な防犯対策にはもちろん、子どもに留守番を頼む際にも安心できるでしょう。
ここでは、ウッドデッキに目隠しフェンスを設置することで生じるデメリットを、4つお伝えします。
ウッドデッキに目隠しフェンスを設置すると、開放感がなくなる点に注意が必要です。設置位置にもよりますが、たとえば目隠し機能を重視して周囲をすべて目隠しフェンスで囲ってしまうと、ウッドデッキや庭が狭く感じられる可能性が高まります。
開放感がなくなるのを防ぐには、背の低いタイプの目隠しフェンスを選ぶとよいでしょう。ただし、低すぎると目隠し機能を果たせなくなるので、ご家庭のウッドデッキに合わせて適切な高さを選ぶことが大切です。
目隠しフェンスを設置すると、ウッドデッキへの日当たりが悪くなる可能性がある点にも注意しましょう。ウッドデッキを物干しスペースとして活用したい場合は、背の高い目隠しフェンスを設置すると日当たりが悪くなり、洗濯物が乾きにくくなりかねません。
また、ウッドデッキだけでなく、室内への日差しをさえぎってしまう可能性もあります。そのため、目隠しフェンスがさえぎる日差しの角度などを考慮に入れながら、設置する場所や高さを検討しましょう。
ウッドデッキに目隠しフェンスを設置すると、強風や台風で倒れる可能性があるので注意しましょう。目隠しフェンスは通常のフェンスに比べて、目隠し効果を高めるためにスリット幅が狭く作られています。
その結果、強い風の影響を受けやすくなるため、基礎から頑丈に設置しておく必要があります。また、一度設置した目隠しフェンスが経年劣化で壊れる可能性もあるため、日頃のメンテナンスにも気を配るようにしましょう。
ウッドデッキを目隠しフェンスで囲んでしまうと、ウッドデッキから庭に出たり、庭側からウッドデッキを通ってリビングに入ったりしづらくなる点に注意が必要です。
ウッドデッキから外へ出入りしたい場合は、L字型に目隠しフェンスを設置したり、庭に降りるためのドアを取り付けたりなど、使いやすい配置や設備を検討するとよいでしょう。
ウッドデッキでの過ごし方によって、設置するべき目隠しフェンスの高さは変わってきます。たとえば、ウッドデッキで立って過ごすことが多いなら、大人の目線の高さである140~160cm程度の目隠しフェンスを設置するのがよいでしょう。
また、ウッドデッキで座って過ごすことが大半なら、座った姿勢での目線の高さである100~150cmを目安に設置すると、開放感のあるウッドデッキに仕上がります。ここでは、目隠しフェンスの一般的な4種類の高さと、それぞれの使用方法を解説していきます。
ウッドデッキに高さ80cmほどのフェンスを設置すると、子どもの転落防止やペットの脱出防止などに効果的です。開放感もあり、ウッドデッキや室内への日当たりもよいため、洗濯物や布団を干すスペースとして重宝します。
しかし、80cm程度のフェンスだと、目隠し効果はほぼ得られないので、用途に応じて選ぶとよいでしょう。
主に座って過ごすウッドデッキであれば、高さ120cmほどの目隠しフェンスも選択肢に入ってきます。120cmのフェンスは、大人が座ると周囲から顔が見えるくらいの高さなので、目隠し効果は高いとはいえません。
しかし、その分日当たりや開放感は多く得られるので、好みに応じて選ぶことが大切です。なお、道路や隣家からは室内が見えてしまいやすいので、防犯効果を高めたい場合は、もう少し高いフェンスも検討するとよいでしょう。
高さが150cmある目隠しフェンスの場合、ウッドデッキで座って過ごすならば、外からの視線をしっかりさえぎれます。立ち上がった場合、大人だと顔が見えてしまうのが難点ですが、そのぶん開放感が得られるので、お好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
しかし、目隠しフェンスの高さが150cmを超えると、日差しが入りにくく、圧迫感を感じやすくなります。そのため、ウッドデッキの広さや日差しの方向に合わせて、目隠しフェンスの位置を検討するようにしましょう。
ウッドデッキに180cmの目隠しフェンスを設置すれば、大人が立った状態でも、外からまったく見えません。そのため、洗濯物を干す際など、外部からの視線が気になる方には安心の高さといえます。
ただし、180cmの目隠しフェンスがあると、ウッドデッキや、そこに繋がる室内の日当たりが悪くなる可能性が高まります。以上見てきたように、目隠しフェンスは高さによって向き不向きが異なるので、目的やお好みに応じて適切なタイプを選択することが大切です。
ウッドデッキに目隠しをする方法は、目隠しフェンス以外にも選択肢があります。ここでは、目隠しフェンスを使わずにウッドデッキを外部の視線から隠す、4種類の方法について解説します。
最も定番なのは「デッキフェンス」と呼ばれる、ウッドデッキ本体の外縁に設置するフェンスです。メーカーから販売されている人工木材のウッドデッキには、床材と同素材のものや、アルミ製の目隠しフェンスがオプションで設置できる製品があります。
種類も豊富で、木目調やルーバータイプなどがラインナップされています。
デッキフェンスは、ウッドデッキ本体に設置する専用タイプであるため、外部に設置場所を別途設ける必要がありません。しかし、ウッドデッキ内部に設置スペースを取るため、ウッドデッキの床面積が狭まります。
また、高さのあるデッキフェンスの場合は、圧迫感が強く出る可能性がある点にも注意しましょう。
ウッドデッキ本体ではなく、道路や隣家との境界線にある塀の上に通常フェンスを設置し、さらに目隠ししたい場所のみに庭木を植える方法があります。この方法は庭全体を広く活用できるため、高さのあるフェンスや大きな庭木を使用しても、圧迫感が生まれにくいです。
庭木の種類は目隠ししたい状況に合わせ、一年中葉の生い茂る常緑樹か、冬は葉が落ちて日当たりが良くなる落葉樹かを選ぶと良いでしょう。
ウッドデッキにテラス屋根を設置するのであれば、目隠しとして前面パネルを設置する方法もあります。前面パネルはポリカーボネート製やアルミ製、木目調など色々なバリエーションがあり、上部・下部のみで設置することも可能です。
ウッドデッキの前面のみに設置するため、左右からは風が通り、物干し場として使いやすいでしょう。
背の高いスクリーン型フェンスをウッドデッキの外側に設置すると、庭のスペースも広く使え、ウッドデッキの日当たりもさえぎられず、ウッドデッキで快適に過ごせるでしょう。
スクリーン型フェンスはルーバータイプや格子タイプ、アルミ製や木樹脂製など、形状も素材も種類が豊富で、用途に合わせて選択できます。ただし、設置箇所によっては日当たりに悪影響が出たり、圧迫感が生まれたりする可能性もあるので、事前に完成イメージを確認しておくとよいでしょう。
ここでは、ウッドデッキに目隠しフェンスを設置する際の注意点を、3つ厳選して解説します。
ウッドデッキに目隠しフェンスを設置する際は、風通しが悪くならないようにスリット幅を考慮しましょう。視線をさえぎることを優先し、スリットがない、あるいは幅が狭い目隠しフェンスでウッドデッキを囲ってしまうと、風通しが悪くなり、カビが発生しやすくなります。
特に高さのある目隠しフェンスでスリットがないと、強風の影響を受けて倒壊する可能性もあります。
とはいえ、スリット幅が大きすぎるとプライバシー保護ができなくなってしまいます。そのため、目隠ししたい方角にはスリット幅の狭いものを、それ以外にはスリット幅が広いものや、隙間のあるルーバータイプなどを使い分けることも検討しましょう。
ウッドデッキを小さな子どもも使う場合は、横格子状の目隠しフェンスは避けるようにしましょう。横格子状のフェンスは子どもが足をかけて登る可能性があり、転倒やケガ、庭の外に出てしまった結果の事故などに繋がります。
また、目隠しフェンスの近くにエアコンの室外機が置かれていると、それを使って登ってしまうケースもあるので、くれぐれも注意が必要です。
ウッドデッキの目隠しフェンスの中には、置くだけの手軽なフェンスもありますが、強風で倒れやすいため、あまりおすすめできません。置くだけのタイプは基礎工事が必要なく、比較的安価に手に入ることから、魅力的に感じるかもしれません。
しかし、台風や強風でフェンスが倒れてしまうと、自宅や隣家の壁、自動車などを破損させたり、人をケガさせたりする危険性があります。そのため、ウッドデッキに目隠しフェンスを設置する際は、長く安全に使用し続けるため、しっかり固定させるタイプのものを選びましょう。
ここまで、ウッドデッキに目隠しフェンスをつけるメリット・デメリットや高さの目安、設置する際の注意点などについて、詳しく解説してきました。適切な目隠しができると、ウッドデッキが格段に使いやすくなり、活用頻度が高まります。
ウッドデッキのサイズや日の当たる方角などによって、最適な目隠し方法は異なります。今回ご紹介したことを参考に、自宅に合った方法を選択し、ウッドデッキで楽しい時間を過ごしましょう。
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